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新庄カウントダウン

日本復帰第1号勝ち越し3ランも逆転負け

h-sh-040329-1.jpg9回表日本ハム2死一、二塁で新庄は左越えの3ランを放つ(撮影・黒川智章)

 SHINJOが「天国」から「地獄」へ-。日本ハム新庄剛志外野手(32)が近鉄戦で「幻の決勝アーチ」をかけた。同点で迎えた9回表2死一、二塁から左翼へ勝ち越し3ラン。日本復帰第1号、チームにとっても価値ある今季1号になるはずだったが、その裏に一挙4点を奪われ、まさかのサヨナラ負けを喫した。チームは前日の開幕から、リーグ唯一の連敗。2日連続の「新庄劇場」はまたも悲劇に終わった。

 こんな結末までは頭になかった。新庄がボールの行方をぼう然と見送った。自身の勝ち越し3ランで、3点リードで迎えた9回裏。神懸かり的な勝負強さで舞台を整えていた。しかし1点差に迫られ、なお2死二、三塁のピンチ。中村の打球が左中間を一気に抜ける。打球を全力疾走で追うこともできなかった。フェンス際で、その「逆ウイニングボール」をつかむと現実を受け止めた。大きな輪になった近鉄ナインを横目に見ながら、駆け足でベンチ裏へ消えた。

 わずか15分前はヒーローだった。同点で迎えた土壇場9回表2死一、二塁。カウント2-2から、真ん中低め135キロ直球をとらえた。打った瞬間、それと分かる完ぺきな一発。左翼席5階を支える床部分に直撃した。推定130メートルの特大弾。本塁を踏むと、下に向かって右こぶしを突きだした。日本復帰1号、新球団となったチームの今季1号、初勝利の決勝弾…。すべてのスタートになるはずだった「祝砲」は「空砲」になってしまった。

 日本公式戦では阪神時代の00年9月30日広島戦(甲子園)で放ったサヨナラ2ラン本塁打以来、1275日ぶりの1発だった。4打席無安打から、持ち前の意外性と勝負強さで演出した「寸劇」は「悲劇」のフィナーレを迎えた。帰りのバスに乗り込むまで終始、無言を貫いた。

 2日連続で、新庄の働きが勝利に結びつかなかった。前日の開幕戦では、初回に自らの判断で意表を突く送りバントを敢行して、先制点につなげた。この日の試合前、「(犠打は)勝ちたかったので。今日勝てばオープン戦のように負けない雰囲気が出てくる」と力を込めて話していた。しかし、派手な1発でも白星は手にできなかった。ヒルマン監督も「新庄がいいところで打ってくれて。それで敗れて残念に思わない監督などいないでしょう」と悔しがった。

 それでも主役であり続ける。白井ヘッドコーチは「4打席まったくダメだったが、気持ちを切り替え集中して打ってくれた。今のチームに1番大事な要素」と波及効果を口にした。7回裏には同点とされ、なお1死一、三塁のピンチに、中飛をさばき捕手まで約70メートルダイレクトの返球でタッチアップを阻止した。

 メジャー時代は本塁打を打てばチーム勝率は7割3分7厘、阪神時代も通算で5割7分2厘。この日だけはその神通力も通じなかった。あと1歩…、天国から地獄…。悲劇があるから「ハッピーエンド」も際立つ。新庄がつむぎ出すドラマは、どんな時も先が読めない。だから、いつでも面白い。【高山通史】

2004年03月29日付 紙面から

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