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新庄カウントダウン

日本復帰初打席は送りバント

h-sh-040328-1.jpg1回表日本ハム無死二塁、新庄は一塁線へ送りバントを決める

<近鉄6-2日本ハム>◇27日◇大阪ドーム

 SHINJOが帰ってきた。日本ハム新庄剛志外野手(32)が27日、近鉄戦に「2番中堅」で先発フル出場、4年ぶりの日本球界復帰を果たした。初回の第1打席に自らの好判断で犠打を決め、いきなり先制点の起点に。新庄らしく意外性にあふれた「バントデビュー」を決めた後は2安打を放ち、敵地の4万1000人観衆を魅了した。北海道移転元年の幕開けでチームは2-6で敗れたが、1268日ぶりの国内公式戦でインパクト十分の再スタートを切った。

 新庄のだれも予想がつかない発想から、北海道日本ハムファイターズの歴史的な初得点が生まれた。初回、先頭の坪井が初球をたたき中越え二塁打を放つ。日本復帰初打席は、いきなりチャンスで回ってきた。ヒットを放って先制点を挙げ、格好良く日本ハムデビュー戦を飾る-。敵地の観衆も期待したであろう筋書きを、簡単に裏切ってしまった。

 ノーサインだった。初球、バントの構えからバットを引いた。球場が「もしかして」とざわめく。カウント1-2からの4球目。ヒッティングの構えからバント。外角142キロ直球を、プッシュ気味に一塁方向へ転がした。日本復帰初打席は、何と「犠打」。続く小笠原の二ゴロで、先制点に結び付ける。阪神時代11年間で17個しか記録していない。機転を利かせたチームプレーだった。自由奔放なイメージの新庄にしてはやや地味な「演出」だったが、北海道、そして日本中のファンへの“贈りバント”だった。

 もちろんこれだけでは終わらないのが、新庄の格の違いだ。事実上の「初打席」となった3回の第2打席は中前打で初安打を記録。6回の第3打席では初球をフルスイング。左翼ポールの上を通過してスタンド5階席へ飛び込む特大ファウルで、また度肝を抜いた。そして第4打席ではバットを折りながらも右前へ。見せ場なく敗れたチームの移転初戦でも、新庄は大きなインパクトを与え続けた。

 この試合に、賭(か)ける思いは強烈だった。敗れただけに試合後は、群がる報道陣に対して両手で「×マーク」をつくった。広報を通じて「コメントなしでお願いします」と、無言でバスに乗り込んだ。初めてのパ・リーグ公式戦。人気球団でプレーし続けてきた、これまでと180度違う環境。試合前、専属の荒井広報に本音を漏らしていた。「今日、お客さん何人入るかな」。少しだけ不安の色も見せていた。

 しかし集まったのは、4万1000人。近鉄の大阪ドーム開幕戦、新記録をマークした。敵地にもかかわらず日本ハム側の左翼スタンドは立ち見が出るほど、いっぱいになった。前日26日の会見では、こう語気を強めた。「やっぱり常に3万人以上のファンに来てほしい」。新生球団だけでなく、パ・リーグをも変える。そんな強い決意を、初戦から体現して見せた。

 残り134試合。新境地を切り開くための戦いは続く。日本球界の常識を覆してしまいそうなほどの個性と実績も兼ね備えている。強烈なキャラクターがまた日本で輝き出した。風邪が完全に治り切っていないのか時折、鼻水をすすりながらも全力でプレーした3時間2分。新庄のみぞ知るワクワクするようなシナリオは、まだ幕開けを告げたばかりだ。【高山通史】

2004年03月28日付 紙面から

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