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新庄カウントダウン

本拠地開幕戦でメジャー1号弾、イチロー超える

h-sh-010411-1.jpg6回裏メッツ無死、新庄はメジャー公式戦初となる1号本塁打を左越えに放つ

 【米ニューヨーク9日(日本時間10日)=寺尾博和】“ライバル”超えだ。ニューヨーク・メッツ新庄剛志外野手(29)が本拠地開幕ブレーブス戦でメジャー1号本塁打を放った。6回、ジェイソン・マーキス投手(22)の145キロ直球を左中間にたたき込んだ。19打席での1発はイチローより1打席早く、飛距離も上回った。日本人野手メジャー初本塁打の記念弾をイチローに打たれ悔しがった男の、せめてもの意地。満員の観衆に「カーテンコール」でこたえた新庄は、この1発でレギュラーを確保した。

 歓声が鳴りやまない。地元開幕戦。シェイスタジアム満員の5万3640人のファンがスタンディングオベーションを続ける。ダイヤモンドを1周しベンチに戻ると、再度の登場を願う“カーテンコール”だ。ヘルメットを取りながらお辞儀をすると、また、うなるような歓声が起きた。「テレビでしか見たことなかったのに、自分がやるとは思わなかった」。

 ピアザが叫ぶ。「ヘイッ、シンジョウ、役者みたいだぞ!」。その直後だ。ベンチュラが号令をかけるとナインが横に整列した。こぶしを合わせる米国流ではなく、両手を腰の前に差し出す日本流の出迎えが待っていた。「彼は調子もいい。そろそろ1本出るだろうと思ってジールと話して決めてたんだ」。1996年日米野球に来日したベンチュラは巨人松井が本塁打を放った際、ベンチ前で受けた日本流儀式を覚えていた。新庄のメジャー初本塁打が3連敗の重苦しい雰囲気を吹き飛ばし、チームを1つにした。

 6回。ブレーブス2番手マーキスのカウント1―1からの3球目だった。145キロ直球をフルスイングした打球は左中間最深部に吸い込まれた。バットを一塁側に大きく放り投げた。飛距離417フィート(約127メートル)の特大の1発。「来た~と思って、振ったら入っちゃった。感触で分かった。かなりうれしい」。ピアザがこの日放った2本塁打より長かった。日本より重く、飛ばないといわれるボールを主砲より飛ばした。

 日本人野手としての、メジャー初本塁打は6日レンジャーズ戦で放ったマリナーズ・イチローに先を越された。これまで表面的には無関心を貫いている。だが、実際は違う。「1号だけはイチローより早く打ちたかった……」。そう言ったまま黙り込んだ。開幕後、打率4割近くの数字を残す好調の中、悔しくて夕食が進まなかった。

 新庄が阪神のスターで、イチローが駆け出しのころだ。オリックスの本拠地グリーンスタジアム神戸で、間接的にグラブをおねだりされたことがある。遠征の新大阪駅で偶然、出くわした時には同僚亀山と2人で肩をたたき、後輩を激励したこともあった。天才打者といわれるイチローと違って、同じメジャー挑戦でも新庄には風当たりが強かった。阪神での11年間。通算成績で打率、安打ばかりか打点でもイチローに抜かれたが、本塁打だけは違う。通算145本はイチローを27本上回っていた。

 イチローから3日遅れた1号も、メジャー19打席目は、1打席早かった。飛距離も14メートル、勝った。それは、せめてもの意地だ。「(日本流の)お出迎えは怖いくらい(選手が)並んだね。みんなが(自分の所に)来てくれないから、何か悪いことしたかなって思った。もうやめてほしいよ」と苦笑。アグバヤニ(左手首骨折)ペレス(左内転筋痛)の外野陣が次々に故障。その強運も味方に、フルスイングでレギュラーの座をつかんだ。

2001年04月11日付 紙面から

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