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新庄カウントダウン
応援旗に当たった幻の本塁打
左翼スタンドの猛虎応援団からメガホンが飛び散った。紙コップが、缶ビールがあらしのように投げ込まれる。怒ったファンはフェンスを飛び越え、グラウンドへ降りて暴れた。異様なムード、騒然とした空気に包まれた横浜スタジアム。新庄は三塁ベース上で立ち尽くし、悪夢の起こった左翼スタンドをぼう然と見つめていた。
1点ビハインドの土壇場9回表だった。横浜佐々木のストレートをはじき返した新庄の打球は、鮮やかな放物線を描いた。スタンドを目指していた白球は、フェンスを越えて振られていた猛虎の応援旗に包まれた。ポトリとグラウンドへ落ちた打球に、新庄は慌てて加速し、横浜外野陣が反応した。田中球審は「お客さんの旗の妨害により、ツーベースとして試合を再開します」と説明した。
オーバーフェンスか否か。その答えは白球にしか分からない。が、少なくとも最高のクライマックスが一瞬にして後味の悪い結末に転じたのは確かだ。二塁打で再開されたが、もはや猛虎に戦闘意欲はなかった。
「入った、入らないはもういいです。僕の応援旗というのも知っていた。応援はうれしいけど、攻撃のリズムを中断するようなことは……。それだけはお願いします」。新庄も怒りのもっていき場所に困った。こんな“悲劇”があっていいのか。やるせない空気だけが球場に残った。【木崎輝三】
1995年06月21日付 紙面から
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