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2006年03月09日

WBC最中に…ボンズのお騒がせ本登場

 現地7日、ワールド・ベースボール・クラシックの第1ラウンド、プールBからDが開幕した。アメリカ代表はアリゾナ州フェニックスでメキシコを2対0で破り、白星スタートを切っている。

 翌8日の新聞はこのWBC地元開幕でもちきり、と思ったらまったく別の話題がトップを独占することとなってしまった。

 ニューヨークポストが「彼に本を投げつけろ」、デイリーニューズが映画のタイトルをもじった「スーパーサイズ・ミー」という見出しを大きく裏1面で打ったそのトピックとは、去年から続くジャイアンツの主砲、バリー・ボンズのステロイド使用疑惑に関する問題。

 沈静化していたこの疑惑がこの日再び燃え上がった理由は、老舗スポーツ雑誌スポーツ・イラストレイテッドが今週号の特集として27日に発売される「影のゲーム:バリー・ボンズ、バルコ、ステロイド・スキャンダルとロケット化したプロフェッショナル・スポーツ」という本の抜粋を掲載したためだ。だから“本”と体を大きくするという“スーパーサイズ”が見出しに使われたというわけである。

 この本はバルコ社によるステロイド疑惑を担当したサンフランシスコ・クロニクルの記者2人が執筆したもの。ボンズのステロイド使用が何年間にも渡っており、73本の本塁打記録を作った2001年には多数のドラッグを使用していたと暴露している。

 ボンズは大陪審で使用していたクリームなどの成分が何だったか知らなかったと証言した。しかし、本ではテストステロンのクリーム、インシュリン、人間成長ホルモン、牛の筋肉品質を改良するために作成されたステロイドなど多数のデザイナー・ステロイドを使用していたとされている。

 さらにかつて本塁打記録を作ったマーク・マグワイアに嫉妬していたとし、元愛人の「彼は『マグワイアが自分より注目されたのは彼が白人だからだ』と言っていた」というコメントまで掲載されいるのだ。

 各紙ともこうした内容の紹介とともに、アリゾナ州スコッツデールでキャンプに参加しているボンズに取材を試みたことを伝えている。

 それによるとボンズは記者たちの問いに対し「それについて2分前に聞いたばかりだ。それを見る気はない。何のために?必要ないね」とだけ言って、笑いながら去ってしまったのだという。

 この時期WBCに注力したかったであろうMLBにとってはなんとも頭の痛くなるお騒がせ本が登場してくれた、といったところだろう。ただ今後の対応も気になるところである。

 WBCだけでなく、ボンズの問題で灼熱のアリゾナがさらに燃え上がってしまいそうな感じだ。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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