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2009年11月05日

Wシリーズ大活躍松井、ヤ軍波乱必至

 今年のワールドシリーズがヤンキースの世界一で幕を閉じ、“その次”に対する関心が急速に高まっている。出場している両チーム、特にここニューヨークではヤンキースでシリーズ終了後FAとなる選手達の去就についてだ。

 全国紙USAトゥデーは4日付スポーツ面のトップで「ワールドシリーズ後に決断のシリーズ」という記事を掲載している。ヤンキースではジョーニー・デーモン外野手、松井秀喜外野手、アンディ・ペティット投手という主力3人が、フィリーズではペドロ・マルチネス投手、ブレット・マイヤーズ投手などがFAとなることを紹介したものだ。

 気になるヤンキースについてだが、デーモンの「残りたい、他のどこに行きたいというのはない」というコメントを掲載したうえで、「デーモンの運命はマツイに拠るだろう」としている。その理由は松井が残留すればDHの枠が埋まり、松井が去ればDHにはデーモンや他の選手がローテーションで起用されるためというものだ。

 ジョー・ジラルディ監督は主力選手を休ませるためDHのローテーション起用を考えていたため、両ひざに故障を抱え基本的に守れない松井が再契約はない、という予測報道が今シーズン何度もされてきた。

 スポーツ専門局ESPNのウェブサイトでライターのロブ・ニーヤー氏は「松井のヤンキースでのキャリアはほとんど終わり?」という記事で「マツイとの再契約に対する懸念は彼の能力ではない。彼がまだヒットを打てることに疑問はないし、不満を見せず勤勉に働くプロフェッショナリズムの塊であり続けている」と絶賛している。そのうえでDHのローテーション起用案はデーモンのみならず、デレク・ジーター内野手、アレックス・ロドリゲス内野手、ホルヘ・ポサダ捕手など主要選手たちがいずれも来年には30代後半という選手構成事情によるものであることを指摘。やはり選手起用の柔軟性から、松井と契約しないことは「明確な選択」としている。

 ただ一時は松井の再契約なしは確実という論調ばかりだったのが、USAトゥデーのように“先行き不明”といった感じのものが増えているも事実だ。

 その原因はニーヤー記者が書いているように、今季打率2割7分4厘、28本塁打、90打点という成績だけでなく、ワールドシリーズでは13打数8安打3本塁打と活躍したことによって評価が上がっているためだ。最近の活躍によって再契約したほうが戦力アップになるかも、と考える人が増えているのだろう。一方移籍先としてエンゼルスやレッドソックス、メッツなどが移籍先としてささやかれてもいる。

 この混沌とした状勢で松井を中心にどんな駆け引きが展開されることになるのか、ワールドシリーズ後も波乱は必至だ。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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