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2009年10月22日

東海岸対決となりそうだが果たして…

 熱戦が続くリーグ優勝決定シリーズ。執筆時点ではア・リーグでヤンキースが、ナ・リーグでフィリーズがそれぞれ3勝1敗とワールドシリーズ進出に王手をかけている。

 この記事を読まれている時点でひょっとしたら片方、もしくは両方の進出チームが決まっているかもしれないが、今回可能性があるワールドシリーズ4つの組み合わせについて本拠地の観点から紹介してみよう。

 まず今回特に西海岸のメディアやファンが期待していたのが、エンゼルス対ドジャースの“フリーウェイ・シリーズ”だ。ニューヨークの2チーム対決をそれぞれの本拠地が地下鉄でつながっていることからサブウェイ・シリーズと呼ぶのと同様、こちらは高速道路でつながっていることからこのように呼ばれている。ただどちらも現在ロサンゼルスを名乗っているが、ドジャースのドジャー・スタジアムがロサンゼルス市のダウンタウン近郊にあるのに対し、エンゼルスの正式名称がロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムとなっているように本拠地エンゼル・スタジアム・オブ・アナハイムはロサンゼルス市南東のアナハイム市にある。アナハイム市はディズニーランドがあることで世界的に知られた都市だ。大きくロサンゼルス地区にあることには変わらないが、車で約1時間ほどの距離があり、その位置感覚はまさにフリーウェイ・シリーズという名が相応しい。ワールドシリーズで同シリーズが実現したことはなかっただけに皆が期待したというわけである。

 一方、アメリカが誇る東西大都市老舗チーム対決といえるのがヤンキースとドジャースの対決。東海岸でアメリカ最大都市のニューヨークと西海岸最大都市ロサンゼルスの対決は先週も書いたとおり大きな注目を呼ぶ。ヤンキースが立て続けにロサンゼルスのチームと戦うとなれば一層のことだろう。また、ドジャースは1957年までニューヨークのブルックリンを本拠にしていたこともあり、未だにニューヨークでは人気があったりもする。前ヤンキース監督のジョー・トーレが現ドジャース監督ということもあり、話題性がさらに上がるカードといえそうだ。

 フィリーズ対エンゼルスもやはり東西大都市対決という意味でファンの注目は高くなるだろう。

 執筆時点で一番実現の可能性が高いのがヤンキース対フィリーズの組み合わせ。東海岸の大都市対決となる。ニューヨークとフィラデルフィアは高速道路と鉄道でつながっており、約2時間ほどの距離しかない。とはいえ、都市の文化圏としてはまったく違っている。ニューヨークがアメリカ最大の商業都市であるのに対し、フィラデルフィアは独立宣言が起草された、アメリカ建国の中心となった都市としての伝統が色濃く残る。ニューヨークとボストン間のような強いライバル意識はないものの、対決が実現すればそれぞれの誇りを賭けた熱戦が繰り広げられることは必至だ。

 さまざまな色合いを持つどのカードが果たして実現することになるだろうか。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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