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2009年08月20日

ヤンキースの本塁打攻勢不安視する声も

 ヤンキースの勢いが止まらない。16、17日と今月初めての連敗を喫したが、18日終了時点での8月の勝敗は13勝4敗。シーズンでは75勝45敗、勝率6割2分5厘は両リーグ最高で、ア・リーグ東地区では2位のレッドソックスに7ゲームの差をつけている。

 そんな好調の大きな要因となっているのが、打撃陣による本塁打の量産だ。ここまで120試合を消化してチームの総本塁打数は182。これはチームのシーズン本塁打記録250に届くペースである。

 さらに120試合で本塁打が出た試合は94あり、ホームの場合59試合中55試合で最低1本は本塁打が出ているのだ。17日のアスレチックス戦で零封され途絶えてしまったが、2日のホワイトソックス戦以来14試合連続で本塁打が出ていた。

 また既に15本以上本塁打を放っている選手が8人いることも見逃せない。これはMLBにおいて2005年以来のことであり、ヤンキースにとっても2004年以来のことである。

 最も多いのは30本のマーク・テシェイラ内野手。2位はジョニー・デイモン外野手の22本で、3位は21本のアレックス・ロドリゲス内野手となっている。ちなみに松井秀喜外野手は19本でチーム内5位だ。

 MLBトップがカージナルスのアルバート・プホルス内野手で39本だから突出したホームランバッターがいるわけでなく、もともと打撃を得意とする選手がまんべんなく打っていることがわかるだろう。ミルキー・カブレラ外野手が現在11本で、あと4本打ち15本以上の選手が9人となると2004年のインディアンスとレンジャーズ以来のこととなる。

 この本塁打大量生産は開幕後議論になった新ヤンキース・スタジアムが本塁打の出やすい球場になっている、ということと無関係ではないだろう。原因は設計ミスなどと言われているが、事前に予想されていたよりもはるかに打者優位なスタジアムになっているようだ。

 そして好調の大きな要因である故に今の状態を不安視する声も多い。本塁打攻勢で試合を決めるパターンが多く、試合運びに緻密さがなくなっている、このままでは短期決戦のプレーオフで足下をすくわれることになるのでは、というのだ。確かにこれは納得できる論のように思われる。

 胸をすく豪快な本塁打の連発はそのままに、リーグ戦の先を見据えた冷静さのある戦いをしていってほしい、というかなり欲張りな期待をしてしまえるのも現在の好調さ故ではあるのだろうが。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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