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2009年08月13日

「坊や」田沢の初勝利に地元紙一転高評価

 11日、レッドソックスの田沢純一投手が地元フェンウェイパークで行われたタイガース戦でMLB初先発初勝利を果たした。ボストンの地元メディアは一斉に田沢の先発デビューについて報じている。

 それらで共通しているのは「スロー・スタートを越えて勝利を手にしたジュンイチ・タザワ」(ボストン・ヘラルド)、「荒れたスタートの後、滑らかな航海をしたルーキー」(ボストン・グローブ)といずれも立ち上がりに問題があったものの、その後素晴らしい投球を見せたことを評価していること。これは初回連続被安打からデッドボールをあたえ、さらに味方の失策絡みで3点を失ったことを、MLB先発デビューで田沢がナーバスになっていたため、と捉えたためのようだ。

 さらに2回裏には田沢のデッドボールに対する報復と見られる4番ケビン・ユーキリス内野手へのデッドボールによる大乱闘も発生している。また田沢は8日のヤンキース戦でMLB初登板した際、アレックス・ロドリゲス内野手にサヨナラ本塁打を打たれたこともあった。新人投手に浴びせられたMLBの手洗い洗礼、といったイメージが田沢に浮かんだのだろう。実際、ボストン・グローブは記事中「メジャーにようこそ、坊や」という言葉も使用している。

 それだけに2回以降見事に立ち直り、結果として5回を4安打3失点(自責点1)6奪三振に抑えた姿は鮮烈に映ったに違いない。実際テリー・フランコーナ監督も「いろんなことが起こったが、彼は5回までそこに留まった」と見事な立ち直りを見せた田沢に高い評価を与えたとのことだ。

 この好投に対し、スポーツ専門局ESPNのウェブサイトでコラムニストのキース・ロー氏は「タザワはレッドソックスのローテーションの一角を任せられる」とローテーション入りするだけの実力があるとの評価をブログに掲載している。実際松坂大輔やティム・ウェークフィールドなどが戦列を離れ厳しい日々が続くレッドソックスにとって、田沢の登場は願ってもないものだろう。5・5ゲーム差をつけられたヤンキースを追撃するためにも田沢への期待は一層高まりそうだ。

 ちなみにここニューヨークでの田沢の先発デビュー報道だが、ニューヨーク・タイムズではたったの2行、投球結果が触れられていただけだった。松井秀喜内野手の本塁打などでこの日も快勝したこともあり、現在レッドソックスの新人には目もくれていないようである。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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