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2009年04月30日

新ヤンキースタジアム、早くも値下げ

 28日、ヤンキースが今月正式オープンしたばかりの新ヤンキースタジアムで売れ残っていた高額席の最大半額となる値下げを発表した。

 ダッグアウト後方最前列のレジェンズ・スィート席の場合2500ドル(約25万円)で販売されていたのが、1250ドルに。左右ファウル・ライン際の内野席では、1000ドルから650ドルに下げられている。また既にこれらの席を購入している人には同じブロック内のチケットを同数割り当てたり、払い戻しなどの救済策も実施されるという。

 鳴り物入りでオープンした新ヤンキースタジアムだが、球団側がスウィート席などのいわゆるプレミアム・チケットの価格設定が昨年までよりもかなり高くなったのが価格発表時から話題になっていた。ここまで不況が深刻になるとは考えていなかったためだ。

 そして開幕してみれば、大方の予想通りプレミアム・チケットの売れ行きが伸びず、1階後方や2、3階席が7、8割の入りなのに、豪華な椅子が並ぶ前方席はガラガラ、ひどいときには1ブロックに数名のファンしかいない、という事態が頻発したのである。

 これに対し多くの地元メディアはスタジアム建設に公的資金も使われていることも絡め、球団の読み違えを厳しく糾弾していた。

 そしてとうとう開幕から1カ月たらずで異例の値下げ断行となったのである。この値下げが30ドルの3階席や14ドルの外野席が据え置かれ、プライム・チケットのみという点が興味深い。低価格の席は売れ行きが良いということもあるが、高額席を積極的に売らなければならない理由が存在しているのだ。

 1枚の価格が高いのだから、多少売れ行きが悪くてもそのままで、とはいかないのである。それはこれらプライム・チケットの席は上方のスウィートボックスを除きほとんどがフィールド近くでテレビ中継に映りやすいのが理由だ。

 テレビ中継でガラガラのスタンドが頻繁に映れば、見ている視聴者はなんだ人気がないのか、と興味を失い、さらにその後の観戦者を減らすことになりかねないのである。いわゆる負のスパイラルの原因になりうるというわけだ。そうしたこともあって、この値下げがこれほど迅速に実施されたと推測される。

 ただ今回のチケット値下げについて地元議員などからは「スタジアムを造った納税者のほとんどは行くことができない」などと不十分という声が上がっているのだが。

 出口が見えない不況のなかにあってヤンキース、そしてその他のMLB全チームがどのようにチーム経営の舵を切っていくかシーズンの行方とともに注目したい。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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