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2009年04月23日

意外やボストンとは密接な関係

 レッドソックスとニューヨーク・タイムズ、そしてボストン・グローブを巡る関係が慌ただしさを増してきた。

 ヤンキースとレッドソックスを持ち出すまでもなく、ニューヨークとボストンといえばライバル、と考える人も多いだろう。ただアメリカを代表する老舗紙ニューヨーク・タイムズはボストンと意外に密接な関係にある。

 ニューヨーク・タイムズは現在ボストンの名門紙ボストン・グローブの親会社であり、さらにレッドソックス、フェンウェイ・パークなどの持ち株会社ニューイングランド・スポーツベンチャー(NESV)の株を17.7%を持つマイナー・オーナーでもあるのだ。ニューヨークとボストンのライバル関係が盛り上がることは、同社にとって非常に好ましい事だったのである。

 が、そんな同社の業績がここ数年低迷、昨年来非常に深刻な経営危機に陥ったことから事態が変わってきた。まず昨年12月期の損益発表で5700万ドルの赤字になったことが明らかになると、同社はNESV株を売却する方針を発表。さらに今年4月3日には同社がボストン・グローブに対し2000万ドルの経費削減に協力しなければ廃刊に踏み切ると通告したのである。

 しかも同社の状況はさらに回復どころか一層悪くなり、21日今年第1四半期の広告収入が1987年以来となる27%ダウンで、赤字が7450万ドルに膨れあがったことを発表したのだ。これによりNESV株売却を急ぐことも明らかにされている。ボストンのファンにとってはとんでもないピンチがニューヨークからもたらされた格好である。

 不安が深まるが一条の光も差している。20日にレッドソックスの主オーナーであるジョン・ヘンリー氏がボストン・グローブの株を買い取る意志を示したというニュースが報じられたのだ。

 同氏は「ベースボール・ファンは新聞に頼っている。誰も偉大で長い歴史を持つ新聞がなくなることを望んでいない。グローブやニューイングランドの新聞がなくなることはレッドソックスにとって大きな損失になる」とコメントしたとのことだ。現在ボストン・グローブ株とNESV株をセットで買い取る意向だろうというのが大方の見方となっている。

 この買収が成功するかどうかはまだわからない。このレッドソックスとニューヨーク、ボストンの老舗メディアの危機が一刻も早く去ることを期待するばかりである。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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