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2009年01月22日

再燃したクレメンスの禁止薬物使用問題

 しばらく静かになっていたあの問題が再びくすぶり始めた。ロジャー・クレメンス元投手の禁止薬物使用問題である。

 この件では昨年2月下院公聴会が開かれ、クレメンス氏が疑惑を全面否定。対して元トレーナーのブライアン・マクナミー氏が薬物注射を認め、双方真っ向から対立したまま終了。その後大きな動きがないまま年を越すこととなった。

 このままうやむやで終わるのかと思われたが、12日になって急に事態が進展し始めたのである。公聴会でのクレメンス氏の証言が偽証になるか大陪審が捜査に乗り出しているとAP通信が伝えたのだ。

 そして捜査当局は16日、マクナミー氏を5時間に渡って聴取。さらにマクナミー氏の弁護士などは当局がかなりの捜査を行っていることを明らかにしている。

 現在メディアで流れている情報ではこのまま起訴に持ち込まれる可能性が高いようだ。

 そんななかさらなる爆弾も投じられている。ステロイドなどを選手達に販売した罪で有罪を認めている元メッツの球団職員、カーク・ラドムスキ氏がマクナミー氏を擁護する発言をしたのだ。これは彼が出版する本と19日に放送されたスポーツ専門チャンネルESPNでのインタビューで語ったもの。

 インタビューで同氏は「私は彼(クレメンス)を全く信じていない。私は友人を信じている。私は彼がいたポジションを知っている。彼は真実を話さねばならなかった」と語っている。友人とはもちろんマクナミー氏のことだ。

 ラドムスキ氏の新刊本はまだ発売されておらず詳細は不明だが、先に内容をチェックしたニューヨークタイムズによれば、この問題をジョージ・J・ミッシェル氏が調査を行った際、後のミッチェル・レポートに掲載されなかった選手名なども証言したことなどが記されているらしい。

 この時点でのミッチェル・レポートの根幹となる証言をしたラドムスキ氏の登場は、クレメンス氏を著しく不利にするだけでなく、ミッチェル・レポートそのものへの議論を再燃させる可能性がある。

 クレメンス氏への捜査とラドムスキ氏の言動という2つの要素によって禁止薬物問題が再び燃え上がりそうだ。願わくば、他の現役選手達に火の粉が飛ぶことがないでいて欲しいのだが。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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