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2009年01月08日

話題の新スタジアムからニューヨーク市が撤退!?

 ニューヨークでこの春オープンする2つのスタジアム、ヤンキースの新ヤンキースタジアムとメッツのシティフィールドは今から大きな注目を集めている。が、それぞれのスタジアムに持っているスイートボックスをニューヨーク市が開幕を待たずして事実上手放すことになったのだ。

 新ヤンキースタジアムの場合、ニューヨーク市は12席からなるボックスの無料使用権を所有しているが、これをヤンキースに委託して入札方式で販売し、その売上げから営業コストを引いた分を市に収めてもらうことで合意したのだ。販売期間は当初5年間でヤンキースは最低年10万ドルを支払うことを保証している。

 シティフィールドについてもほぼ同様の状況で、現在販売交渉が進められているとのことだ。

 ちなみに新スタジアムのスイートボックスはヤンキースの場合、年60万から85万ドルで、メッツは年27万5000から50万ドルで販売されている。

 元々このスイートボックス保有はマイケル・ブルームバーグ市長の肝いりで進められたもの。新ヤンキースタジアムの場合、スイートボックスの見返りとして250台分の追加駐車場スペースや3つの屋外広告の権利を提供されたと言われている。

 また市当局はヤンキースの2億6000万ドル、メッツの8200万ドルにのぼるスタジアム建設プロジェクト債務に対し、免税措置を認めていた。

 これらに対しニューヨーク州選出下院議員などから批判が噴出、昨年9月には市議会小委員会による調査が行われるなどしてきたのである。市交通局や学校が資金難に見舞われているなか、こうした”購入”や優遇措置など信じられない、というわけだ。

 今回の市の決断はこのような批判に言わば屈したもの。5年間というのは、3選を目指すブルームバーグ市長の任期を考えてのもので、その先新市長の時代になったらわからない、ということでもある。

 たしかにニューヨーク市は財政難に見舞われており、さらに景気後退はより深刻さを増しつつある。市は手近にキャッシュを得られるのだから名案のようにも思える。

 が、新スタジアムの華やかなオープンを目前にして地元自治体でこんなゴタゴタが起きるのはなんとも哀しいことだ。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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