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2008年12月25日

止まらぬ札束攻勢に地元紙“YANK$”

 得意の高額契約でFAの大物投手、C・C・サバシアとA.J.バーネットの2人を相次いで獲得したヤンキースだが、皆がホリデー気分に染まるクリスマス直前になってもその手が休むことはなかった。

 23日、エンゼルスからFAになっていたマーク・テシェイラ一塁手と8年総額1億8000万ドルで契約に合意したと複数のメディアが報じたのである。

 テシェイラはスイッチヒッターで5年連続で30本塁打、100打点を達成している大砲。エンゼルズが残留を望んだほか、ナショナルズ、レッドソックス、オリオールズが大型契約を条件に獲得に乗り出していると伝えられていた。ナショナルズが8年1億6000万ドル、レッドソックスが8年1億6500~1億8000万ドルを提示して有力候補になっていると言われていただけに、またもヤンキースがかっさらった形だ。

 さすがにこの札束攻勢には地元紙ニューヨーク・ポストがヤンキースのことを“YANK$”と表現するなど、その獲得攻勢に辟易とした反応も出ている。

 とはいえ、このテシェイラ獲得で強力打線がさらに強力となった。気になるのはこれで松井秀喜外野手の外野のポジション争いがより一層厳しくなったことだろうか。ひざの回復具合によっては来シーズンは最初からDHに専念ということになるかもしれない。

 また大物FA3人と契約する一方でヤンキースは王建民投手と1年500万ドルで契約している。昨シーズンまで2年連続で19勝を挙げた王だが、今シーズンは6月に右足を傷め、8勝止まり。高額契約を望む王側と交渉がもつれ、年俸調停に持ち込まれるかと思われたが100万ドルアップで単年契約に落ち着いた。怪我からの回復具合を見るという意味でヤンキースとしてはとりあえず安くあがったというところだろうか。

 これで残留交渉を続けているアンディ・ペティット投手と契約できれば、サバシア、バーネット、王、ジョバ・チェンバレン、ペティットと先発陣が揃うことになる。さらにフィル・ヒューズ、イアン・ケネディの若手先発候補もおり、陣容は万全だ。

 23日、MLBは各チームの2008年年俸総額を発表している。ヤンキースがまたもぶっちぎりでトップだったが、来年もその座の維持は間違いなさそうだ。ただそれでワールドシリーズ出場が確実、とならないところがMLBのおもしろさである。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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