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2008年12月18日

ヤンキース、ついに“らしい”大補強開始

 2週間前、補強への動きが静かだと伝えたヤンキースだが、その後は一転迅速でかつヤンキースらしい行動に出ている。

 まずブルワーズからFAになっていた”本命”C・C・サバシア投手と移籍で合意したことが10日、複数のメディアによって大々的に報道された。

 昨シーズン、インディアンスで19勝を挙げ、サイ・ヤング賞を獲得し、今シーズンも17勝10敗の成績を残しているサバシアはヤンキースが欲しくて仕方がなかった左腕である。投手として史上最高の7年総額1億6100万ドルと見られる大型契約で合意にこじつけたのだ。

 ドジャーズなどとの獲得争いに勝ったことと高額な契約内容に周囲が驚き、同時にやはりヤンキースだ、と納得している間に当のヤンキースはさらに次の手を打った。

 12日、やはりFAとなっていたA.J.バーネット投手と5年8250万ドルで契約合意に至ったとまたも複数のメディアが報じたのだ。バーネットは今シーズン、ブルージェイズで18勝を挙げ、ア・リーグ首位の231三振を奪っている。

 ヤンキースはサバシア獲得交渉と同時にブレーブスなどとバーネット争奪戦も演じていたが、この大物投手2人をどちらか、ではななくどちらも獲得してしまうところがやっぱりヤンキースといったところか。

 サバシアとバーネットで来シーズンの先発1番手、2番手は決まり、これで先発陣の補強は終了、というのが大方の見方だ。

 が、あくまで終わったのは投手陣であり、次は打者の大物獲り、で現在ニューヨークのスポーツメディアは落ち着くまもなく再び騒がしくなっている。ドジャーズからFAになっているマニー・ラミレス外野手に食指を動かしているとデイリー・ニューズ紙が伝えているのだ。

 同紙はラミレスを獲得できればAロッド、ことアレックス・ロドリゲス内野手と1-2パンチを構成できるとチームが考えているとしている。たしかに500本塁打を達成している強打者ラミレスが加入するとヤンキース打線は相当にコワイものになるだろう。たださすがに資金に問題が出そうだとも伝えられているが。

 と同時にこの動きが日本人にとって気になるのは、ブルワーズのマイク・キャメロン外野手にも興味を示しており、傘下の3Aに所属する井川慶投手とトレードするのでは、とも報じられている点だ。ラミレス獲得に成功するとこのトレードは消滅するのは確実だ。不遇な状態にある井川だけにすっきりとメジャーで投げられる環境が与えられる結果になるといいのだが。

 またラミレス獲得に成功すると松井秀喜外野手の扱いがどうなるかも気になるところではある。

 復活に向けどん欲さを見せつけるヤンキースの動きは今後も周囲を落ち着かない状態にさせ続けそうだ。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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