2008年12月11日
宿敵NYマスコミは田沢レ軍入りをスルー
4日、ボストンにあるフェンウェイパークでレッドソックスへの入団発表を行った田沢純一投手。ドラフトの有力候補だったアマ野球選手が日本のプロ野球を経ずにMLBのチームとメジャー契約を結んだのは史上初とあって、日本では大きな話題となった。
これまでお互いのドラフトを尊重するという理由で日米のプロ野球界に存在していた「紳士協定」を破るものとして、今後への影響が心配されているのである。この点についてアメリカの老舗スポーツ誌、スポーツ・イラストレイテッドはオンライン版で「サヨナラ、“暗黙の了解”」と題した記事を掲載した。
この記事で同誌は日本は前例を破ることを良しとしない社会で、野茂英雄投手や田沢はこの“暗黙の了解”を破ったために批判されていると指摘。さらに“暗黙の了解”に安穏としてきた日本プロ野球界を批判している。
実際この件は両球界間の取り決めの問題であり、田沢を批判するのもどうかと思わないでもない。
では今回の契約について田沢自体はどんなふうに捉えられているのだろうか。
期間3年、総額330万ドルと見られる契約内容から、22歳の田沢に対するレッドソックスの高い評価が見て取れる。地元紙のボストン・グローブ紙は交渉段階から契約まで連日田沢の動向を報じており、その関心の高さが出ていた。
ではレッドソックス宿敵の地、ニューヨークでの報道はどうか。ニューヨークタイムズはやはり田沢が前例を破ってMLBを目指していることから始まり、契約合意、契約と記事にしている。ただ5日付けで報じられた契約報道はMLB短信の一部に過ぎなかった。
さらにいつも派手にヤンキースとレッドソックスのライバル関係を煽るニューヨーク・ポストとデイリーニューズの2紙に関してみると、なんとこれまで田沢に関する報道は一切されていないのである。契約したことさえ伝えていないのだ。
前途有望といっても来シーズンはマイナーからメジャー昇格を狙う存在であり、まだ一球も投げたことがないアマチュア選手に過ぎない、という評価なのだろう。いくら日米球界の間を揺るがす出来事といっても、アメリカ側、特に最初から獲得の動きがなかった都市にとってはわざわざ取り上げるほどのニュースバリューはないということである。
画期的な行動に出たものの、地元以外ではまだまだ存在感が小さい田沢がニューヨークの、さらに全米のメディアを騒がすのはいつになるのか。一日も早くその日がやってくるのを楽しみにしている。
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