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2008年08月14日

チケット値上げで喜べぬ新球場建設

 何度もお伝えしてきたが、ニューヨークに位置する現行の2つのMLBスタジアム、ヤンキースタジアムとシェイスタジアムは今シーズンで最後となる。両スタジアムには長い歴史を惜しむファンが訪れてどの試合も盛況だ。

 同時に両スタジアムのすぐ側では来シーズンから使用される新スタジアムの建設が急ピッチで進められている。ヤンキースの新ヤンキースタジアムとメッツのシティフィールドは共にチームの伝統に則ったデザインがされており、完成に近づきつつあるその外観を見ていると早くも来シーズンが楽しみになってくるものだ。

 が、地元ファンにとって新スタジアムのオープンを手放しに喜べない事情も生まれている。それはチケット価格の上昇だ。

 12日、シティフィールドの来年のチケット価格が発表されたのだが、大幅な値上げとなる席が多いことが明らかになったのである。

 例えば今シーズン1階席の平均価格は対戦相手によって変動する方式で77~85ドルだが、来年はこれが150~225ドルと、試合によっては2倍以上も上がっているのである。

 さらにダグアウト裏の最高席は平均495ドル、ダグアウト裏3列目までが375ドルということだ。2階席でも125~225ドルもする。

 この値上げは、シーズンチケットも同様で現在2階席2枚を7447ドルで購入しているファンのところには来年1万8630ドルになるとの通知が来たのだとか。

 新ヤンキースタジアムはまだ一般席の価格が発表されていないものの、今シーズン500ドルだったスイートシートが2500ドルに、250ドルだったシートが1000ドルに値上げされることが明らかになっている。
 
 こうしたチケットの値上げはここ数年MLB全体、特に新スタジアムを建設したチームで頻繁に行われている。各チームとも建設費や選手年俸のアップなどを値上げの理由にし、さらに一番安い席の価格は据え置いている、などと弁明しているが、2以上の値上げが普通に行われることはどこか異常な感じを受けざるを得ない。

 MLB全体では活況が続いているが、だんだん“ナショナル・パスタイム(国民の娯楽)”から遠ざかりつつあるような気がし、とても心配である。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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