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2008年06月19日

エース負傷に見舞われたヤンキース

 ヤンキースがまたもやピンチに見舞われている。15日のアストロズ戦で6回、二塁走者だった先発の王建民投手が、ジーターの右前安打で生還する際けがを負ってしまったのだ。

 その後受けた精密検査で、右足甲の関節部分の靱帯損傷と、右足つちふまず付近の腱(けん)の一部損傷と診断された。最低6週間はギプスで固定しなければならないという。その後のリハビリを考えるとレギュラーシーズン中の復帰は微妙な状況にある。

 王は2年連続で19勝を記録、今シーズンも既に8勝をあげている。エースの長期離脱はチームにとって非常に痛い。特にチームの調子がようやく上向き、15日の試合を含め、12日以来17日まで5連勝中だからなおさらだ。通算成績も38勝33敗で3位に浮上している。それだけに首脳陣は運の悪さをのらいたくなっているに違いない。

 問題は王の穴をどうやって埋めるかだ。コーチ陣は18日、3Aスクラントンから左腕のビリー・トレイバー投手を再昇格させた。ただこれはあくまで緊急策。必要となるのは先発投手である。

 そこでまず話題に上がったのが、現在リリーフに回っている右腕ダン・ギースと3Aで調整中の井川慶の2投手の名前である。日本人としては井川が再昇格され、今度こそ彼の本領が発揮されることを期待してしまう。だが地元メディアではギースの転向を予想する人の方が多いようだ。井川は今シーズン3Aでチーム・トップの6勝をあげており、試してみる価値はあると思うのだが、これまでの実績ではやはり難しいのか。

 そんな2投手の起用より可能性が高いと見られているのがトレードによる補強である。チームに勢いが出て、プレーオフ争いに加われそうになってきただけに勝ち星を読める実力派投手を獲得するのでは、というのだ。

 確かに現実的な策ではあるが、そうなると気になるのが交換要員。外野手はボビー・アブレイユ、メルキー・カブレラ、ジョニー・デーモン、さらにDHとして活躍中の松井秀喜と余り気味の感がある。ここから交換要員が選ばれる可能性は高い。果たして誰がリストに上げられるのか、それはそれで心配の種となりそうだ。

 どうしてもすべて順調とはいかない今シーズンのヤンキース。なんとか打ち寄せる波の数々を無事乗りきって欲しいものだ。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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