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2008年05月22日

AロッドはAゴッドになれるか…

 まさかの最下位に低迷するヤンキース。松井秀喜外野手は打率3割を維持し、19日のメッツ戦では特大の6号本塁打を放つなど好調を維持しているが、チームの勢いは一向に上向かない。このままではワールドシリーズどころかプレーオフへの道すら見えない状況だ。

 そんな窮地からの脱出を1人の選手に期待する見出しが20日付の地元紙には並んだ。けがで戦列を離れていたアレックス・ロドリゲス三塁手がこの日復帰したのだ。ニューヨーク・ポストなど「Aゴッド」とAロッドをまさに救世主扱いしていたほどである。実際この日のオリオールズ戦でAロッドは6回に2ランを放ち、復活をアピールしている。

 が、チーム不調の深刻さはAロッド復活で好転するほど甘くはないようだ。この試合は開幕から5連勝中のマイク・ムシーナ投手が先発したのだが、1回もたずに5安打7失点の大誤算。さらに2回にはジョニー・デーモン左翼手がフライを失策するなど、2回までで9点を奪われ早々と試合が壊れてしまったのである。

 攻撃もAロッドの本塁打のみの2点止まり。結局2-12で大敗してしまった。松井も9回に右翼への単打のみだった。

 さらに3回にはチームの顔であるデレク・ジーター遊撃手が左手首に死球を受け退場している。Aロッドの復活で救われるどころか踏んだり蹴ったりとなってしまったのである。

 当然のことだが翌21日には「ピエロなようなプレー」(ニューヨーク・ポスト)などとこのゲーム内容を地元メディアは一斉に非難した。

 救いといえるのはジーターのけがが比較的浅く、長期離脱というようなことにはならなさそうなことぐらい。まったく不振脱出の出口が見えない状況が続いている。4連敗となったヤンキース、首位レッドソックスとの差は7・5ゲームと開いた。

 ア・リーグ東地区では悪性リンパ腫を克服してMLBに復帰したレッドソックスのジョン・レスター投手が19日に無安打無得点試合を達成。さらに岩村明憲二塁手が所属するレイズが一時首位を奪う好調ぶりで、すっかりこの上位2チームの話題ばかりが目立つ状態になっている。このままだとヤンキースは皆の関心からフェードアウトしてしまいかねない。もう特定の選手に期待してなんとかなる段階ではない。まさにチーム一丸となって這い上がって欲しいものだ。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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