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2008年05月15日

イチローはお金をもらいすぎているのか?

 世界的に知られる経済誌フォーブスは毎年MLBやNFLのチーム資産価値ランキングを発表するなど、ビジネスの観点からスポーツに精通したメディアでもある。

 そんなフォーブスのトム・ヴァンライパー記者が7日付けで発表した“アメリカで最もお金をもらいすぎている選手たち”という記事を読んで考え込んでしまった。

 高額すぎる年俸を受け取っているとする選手20人がランクアップされているのだが、その5位に位置し、記事本文でも最初に大きく取り上げられているのがマリナーズのイチロー外野手だったからだ。

 記事では記者自身、イチローがシーズン平均227本ものヒットをあげており、おそらく今シーズンMLB史上タイとなる8シーズン連続200本安打を記録するだろうとするなど、その成績の素晴らしさを認めてはいる。

 にもかかわらず2005年から2007年まで年1250万ドルのサラリーを受け取り、今年1700万ドルを受け取るイチローを“もらいすぎ”だというのだ。その理由としては、四球が少なく、出塁率が4割に達したシーズンが1回しかないことをあげている。さらに長打が少ないことも大きいという。もし素晴らしい守備がなかったら5位ではなく、トップだっただろうとわざわざ書く低評価ぶりなのだ。

 たしかにアメリカではしばしばイチローの四球の少なさを批判する意見が聞かれる。わからないではないのだが、これほどまでに評価を下げるような要素なのかと、疑問に感じるのは事実だ。もっと評価の低くなる選手などいっぱいいそうだが。

 また年俸の高さは成績だけで評価されるものでもないだろう。実は同じフォーブスは3月に「外野の龍」というイチローのプレー写真をカバーにした記事を掲載している。この記事はイチローをはじめ日本、韓国、台湾出身のメジャーリーガーたちが単に活躍するだけでなく、テレビ視聴やグッズ販売などチームとMLBのビジネス発展にどれほど寄与したかを紹介したもの。都市規模が大きくないシアトルにあってマリナーズがケーブルTV局と高額な契約を結べたのはイチローのおかげだとも指摘しているのだ。

 同じ雑誌でもこうも評価が変わるものなのかとも思わないでもない。ただそれだけ評価の仕方は多岐に渡るということであり、いろいろな見方が出るということはまた素晴らしさなのかもしれない。

 とりあえずイチローがもらいすぎなんて言わせないほどの活躍をしてくれることを期待したい。

渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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