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2008年04月24日

ヤ軍オーナー長男が首脳陣批判

 22日終了時点で11勝10敗とかろうじて勝ち越しているヤンキース。首位レッドソックスには3・5ゲーム差をつけられている。新監督、現ヤンキースタジアム最後の年など、ワールドシリーズ進出が必須ともいえる状況でこの成績は、首脳陣にとってとうてい我慢できるものではない。早くも堪忍袋の緒が切れたような発言が飛び出しチームや地元メディアが揺れている。

  問題の言葉を発したのはおなじみジョージ・スタインブレナー・オーナー、ではなくその長男で今シーズンから共同会長に就任したハンク氏。

 右腕の若手で現在セットアッパーを務めているジョバ・チェンバレン投手について「私はジョバに先発入りして欲しい。それはジャバ自身も含め、誰もが望んでいることだ」と22日付のニューヨーク・タイムズのインタビュー記事でコメントしたのだ。さらに「時速100マイルの速球を投げる投手がいて、セットアッッパーに据えておくなんてことはしないだろう。そんなことをするのは馬鹿者だ」とぶちあげている。

 確かに今シーズン先発ローテーション入りしているフィリップ・ヒューズ投手とイアン・ケネディ投手はここまで合計0勝5敗と大誤算状態にある。キャンプでは先発入りを期待され、ここまで7試合計8イニングで1失点のチェンバレンを先発に推したい気持ちも分からないでもない。ただいきなりこんな形で自分の意見を出すのもどうなのか。

 実際同じ記事ではブライアン・キャッシュマンGMの「我々はこの件についてこの冬によく話し合った」、「今、変えることはできない。理由がないからね。ハンクもそれを知っている」と、困惑混じりのコメントも掲載されていた。

 当のチェンバレンだが、「自分はピッチャーであればいいよ。どんな役割で投げるとしても本当に気にしていない」と論争を気にする様子を見せていない。この冷静さが一番の救いに感じられた。

 とりあえずスタインブレナー家の爆発するのは代替わりしても同じ、とメディアは半ばあきれ、半ば楽しんでいる様子でもある。記事が出た当日のホワイトソックス戦で9対5で勝ったこともあり、とりあえず沈静化しそうな雰囲気も出てきた。

 ただ現状のような煮え切らない成績が続くようであれば、このような現場批判がさらに出てくるのは必至だ。そうなるとメディアの反応も今度は現場に厳しくなることだろう。そんな事態にならないことを祈るばかりである。

渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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