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2008年03月27日

NYまたスキャンダル…カンセコが暴露本

 日本でレッドソックスとアスレチックスによる“オープニング・シリーズ2008”が行われ、いよいよMLBもシーズン開幕ムードで染まる。と、思っていたらここニューヨークはまたスキャンダルに包まれてしまった。

 25日、かつてヤンキースやアスレチックスで活躍したホセ・カンセコ元外野手が、新たに出版する著書の中でヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手にステロイドのディーラーを紹介したと主張している、と地元メディアが一斉に報じたのだ。

 新聞各紙はトップ扱いで報じており、26日付でも「A-ロイド?」(デイリーニュース)、 「ジューシー・テイル」(ニューヨーク・ポスト)といった見出しが躍っている。「A-ロイド」とはAロッドとステロイドをかけたもの。ジューシー・テイルとはステロイド注射を意味する“ジュース”という隠語と、“お話”のテイルを組み合わせたものだ。

 問題の書籍だが“Vindicated:Big Names,Big Liars and The Battle to Save Baseball”というタイトル。「弁明:大物と大うそつき、ベースボールを守るための戦い」といったところだろうか。

 同書ではロドリゲスに「名の通ったステロイドのディーラー」を紹介したことのほか、ミッチェル・レポート問題で渦中の人物となっている元ヤンキースのロジャー・クレメンス投手やタイガースのマグリオ・オルドニエス外野手のステロイド使用について言及しているということだ。

 さらに、ロドリゲスがカンセコ氏の夫人と関係を持とうとした、とまで暴露しているらしい。

 オフシーズンをにぎわせ続けた不正薬物使用問題で、しかもヤンキース最大のスター選手であるAロッドが対象になっている、とあっては地元メディアの関心がそちらに集中するのも無理はないところだろうか。

 ただ、カンセコ氏は前著でやはり自身を含むMLB選手のステロイド使用を暴露し、さらにステロイド使用をあおるような表現をしたことでも知られている。話題作りに誇大な表現をしているのでは、という疑いを感じるのも事実だ。同じように鵜呑みにはできないと皆が思っていることが、先にあげた各紙の見出しにつけられた「?」や「テイル」という表現にも見て取れる。

 とはいえ、クレメンスの偽証罪に関する調査が進んでいることもあり、とても無視できるような問題でもない。すっきりと球春の到来を喜ぶ、というわけにもいかなくなってしまい、なんとも複雑な状況になっている。


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渡辺史敏「from New York」
渡辺史敏(わたなべ・ふみとし)
 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。  現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、インターネット、TV、コンピュータなどのIT分野で取材・執筆活動を行っている。  独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

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