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2010年10月13日

第270幕 意地を見せたサイヤング男・リンスカム

 ポストシーズン第1戦でジャイアンツのティム・リンスカム投手がブレーブス相手に14奪三振の完封劇を演じて見せた。初めてのポストシーズン。舞台の大きさを考えれば、気負いがないと言えばウソになるだろう。だが、テレビが映し出すリンスカムの一挙手一頭足は全く普段とかわらず、気負いというより気合いが乗っていたように見えた。

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 春先のキャンプでは、仕上げの段階で右手人差し指の爪を割っていた。筆者が彼をインタビューした時に発見し、思わず「あっ! 爪が!」と口走るとリンスカムは「おっといけない」と言ってあわててそれを隠した。トレーナーに爪の「修理」をしてもらいながらの調整が続いていて、多少仕上がりが遅れていたためその情報を外に知られたくなかったのだ。

 キャンプ地での最終登板もアスレチックスのマイナーチーム相手だった。観客のまばらな球場で、爪の状態やフォームをしっかりと確かめながらの投球。雑音が耳に入らない分だけ投球に集中することができた。その日はチームがアリゾナを離れるため飛行機移動の前に私服でやってきたリゲッティー投手コーチ。リンスカムの投球を見て何とか開幕に間に合いそうだと安堵の表情を浮かべサンフランシスコへ戻って行った。

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 調整の遅れはどこへやら。開幕から順調な滑り出しを見せた。だが、5月に1勝、8月に0勝と調子をガタッと落している。イライラが募って何度かクラブハウス入り口のドアを蹴飛ばすシーンも見られた。それでも終わってみれば16勝。奪三振も3年連続で200を越えた。色白で小柄。私服だと中学生と間違えられてしまいそうだ。そんな彼が強者どもを相手に、トレードマークの長髪をなびかせながらバッタバッタと三振に切り取って行く様は実に心地よい。

 そのトレードマークとなったリンスカムヘアーを球団がグッズとして売り出した。春先には女性のセミロングほどの長さだった髪も今は肩まで伸びている。ゲンを担いでいるのかどうかは聞きそびれたが、おそらくそれに近い気持ちで伸ばし続けているのだろう。そしてたぐり寄せたポストシーズンの切符。そこでの大仕事。今度はナ・リーグチャンピオンシップでワールドシリーズへの挑戦権を勝ち取る番だ。第1戦、ハラデーとの投げ合いが見物である。

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写真上=春先にはセミロングだった髪も今はロン毛に
写真中=球団が売り出したリンスカムヘアー
写真下=リンスカムの登板日には「K」が並ぶ


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ガンちゃんのまいど!
鉄矢多美子(てつや・たみこ)
 福岡県に生まれる。成城大在学中から、硬式野球部のマネジャーを務めるかたわら、ウグイス嬢の道に。1977年にロッテ・オリオンズ球団(現在の千葉ロッテ・マリーンズ)に入社して、ウグイス嬢と広報担当を兼務。87年12月からフリーに。  野球のあるとこどこまでも、の精神で、日本国内はもとより、アメリカ大リーグをはじめ、キューバ、ドミニカ共和国、プエルトリコなどに足繁く通う。将来は野球をモチーフにした一大スペクタル小説を書くのが夢。著書は「サミー・ソーサ 心はいつもホームラン」(集英社インターナショナル)、「もっとカゲキにプロ野球」(講談社)、「素顔の野茂英雄」(小学館)、「熱球伝説」(岩波書店)。

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