2009年09月14日
第237幕 究極のいたずら男グリフィーがイチローに…
イチローがコツコツと積み上げてきたメジャー通算2000本安打達成のその大事な記念ボールに、ケン・グリフィーが落書き? をしたという報道が一斉になされた。果たして本当に彼はそのようなことをやってのけたのだろうか? 現場にいたわけではないから雰囲気が伝わってこないが、にわかに信じがたい気持ちでいる。大記録達成のイチローを何とか仰天させることはできないかと考えに考えた末、ダミーボールで…と思いついた究極の「いたずら」なのではないだろうか…と思いたくなる。
というのも、グリフィーは無類のいたずら&ジョーク好き。思い出すのは1995年の春キャンプ。打撃練習中に、当時マリナーズの監督だったルー・ピネラと「ステーキディナー」を賭け、負けてしまったグリフィーは監督室に本物の牛1頭を連れて行って「これでどうだい!」としたり顔をしたのだ。「あれは、いまだ僕の中でNO・1に属する出来事なんだ」と、今でも思い出すと笑いがこぼれて仕方ないと言った表情で当時を振り返る。
そんなスケールの大きないたずらを平気でやってのけるくらいだから…イチローの落書きボールも何か裏がありそうだと思わせてしまうのだ。彼が「KID」と呼ばれているのは、40歳になろうとしている今もなお子供のような純粋な気持といたずら心を持ち続けている所以だ。スキあらば人が驚いたり笑ったりするいたずらをやってのけ、自分もメいっぱい楽しもうと狙っているフシがある。ましてその対象がイチローとなると、いたずら心もバージョンアップするはずだ。
さて、そのグリフィー。今季の開幕直前にこんなことを言っていた。「イチローと一緒にプレーしたい気持ちはずっと心に持っていた。これまでイチローのプレーはテレビでしか見られなかったけど、これからは生で見られる。すごく嬉しいし、興奮しているんだ」。そのひと言ひと言から「生・イチロー」とクラブハウスを共にしている喜びが伝わってきた。それだけに何かあったら彼なりの祝福を…と考えていたに違いない。落書きボールの真意のほどは次に会った時に確かめることにするが、「9年連続200安打」にはどんな手荒い「お祝い」を計画しているのだろうか。それが気になって仕方ない。
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- 鉄矢多美子(てつや・たみこ)
- 福岡県に生まれる。成城大在学中から、硬式野球部のマネジャーを務めるかたわら、ウグイス嬢の道に。1977年にロッテ・オリオンズ球団(現在の千葉ロッテ・マリーンズ)に入社して、ウグイス嬢と広報担当を兼務。87年12月からフリーに。 野球のあるとこどこまでも、の精神で、日本国内はもとより、アメリカ大リーグをはじめ、キューバ、ドミニカ共和国、プエルトリコなどに足繁く通う。将来は野球をモチーフにした一大スペクタル小説を書くのが夢。著書は「サミー・ソーサ 心はいつもホームラン」(集英社インターナショナル)、「もっとカゲキにプロ野球」(講談社)、「素顔の野茂英雄」(小学館)、「熱球伝説」(岩波書店)。
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