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2005年08月16日

第94幕 世界最速投球167キロの謎

 横浜のクルーンが日本最速投球161キロを記録して日本中が大騒ぎになったようだが、メジャーにはもっと速い球を投げるつわものがいる。ノーラン・ライアンやランディー・ジョンソンなどはその筆頭グループだが、今年5月31日、マーリンズの剛速球投手A・J・バーネットが、それまでのメジャー最速記録102マイル(約164キロ)を抜いて104マイル(約167キロ)を出し、あらゆる意味で大きな話題を呼んだ。

史上最速記録について語るバーネット

 この記録が出たのはアウエーのピッツバーク・PNCパークだったが、ネット裏にいたスカウトのスピードガンが101マイルしか出ていなかったことから、スコアボード用のスピード計測器の誤作動ではなかったのかと言われ始めた。マーリンズのマッキオン監督までが「そんな速いボールを投げる投手は見たことがない」と否定的な発言をしたため、地元紙も一斉に「計測器の故障によるもの」と記録を認めない記事を書きたてた。

 この報道に怒り心頭だったのがバーネット本人。「自分はコンスタントに100マイルは投げている。だから104マイルが出たって何も不思議なことじゃない。なぜ疑われているのかが分からない」とぶちまけた。同僚のドントレル・ウイルスやミゲル・カブレラなども「計測器がどう示していたのかは見ていないが、A・Jはいつも100マイル、101マイルを出しているから、彼だったらそれくらい出てもおかしくない。僕たちは信じてるよ」とかばっている。

 では、当時バーネットに相対した打者はどう感じていたのだろうか。パイレーツのフレディー・サンチェスは「あんなに速い球に遭遇したのは僕の野球人生で始めて。投手は常に自分の投球の違いが分かっているものだし、彼が104マイルと感じたのなら僕はそれを信じる。そしてメジャー最速記録におめでとうと言いたい。彼の投球にはただびっくりしたし、104マイルなんて恐ろしいこと」と、打者として感じた素直な気持ちを述べている。

 となれば、がぜんバーネット関連の新聞の見出しや記事には「104マイル」が出てくる。彼が調子を上げてきたことによって、周囲からだんだん周知の事実として認められる傾向になってきているのだ。もちろん当の本人は「そんなことは今になって言われなくてもあの時点で分かりきっていたこと」と反論しそうだが、いずれにしろ本当に世界最速記録が出たのか出なかったのかは依然、謎に包まれたままである。


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ガンちゃんのまいど!
鉄矢多美子(てつや・たみこ)
 福岡県に生まれる。成城大在学中から、硬式野球部のマネジャーを務めるかたわら、ウグイス嬢の道に。1977年にロッテ・オリオンズ球団(現在の千葉ロッテ・マリーンズ)に入社して、ウグイス嬢と広報担当を兼務。87年12月からフリーに。  野球のあるとこどこまでも、の精神で、日本国内はもとより、アメリカ大リーグをはじめ、キューバ、ドミニカ共和国、プエルトリコなどに足繁く通う。将来は野球をモチーフにした一大スペクタル小説を書くのが夢。著書は「サミー・ソーサ 心はいつもホームラン」(集英社インターナショナル)、「もっとカゲキにプロ野球」(講談社)、「素顔の野茂英雄」(小学館)、「熱球伝説」(岩波書店)。

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