2009年07月13日
第230幕 藪、高津、伊良部、男40歳の熱い思い
7月11日、エンゼルスの取材を終え、ホテルに戻って資料整理にとりかかった時だった。ケイタイ電話が鳴り「YABU」と電話の主を示していた。今季はシーズン当初からジャイアンツ傘下のマイナー3Aフレズノでプレーを続けていた藪恵壹投手(40)からだった。それはチームを解雇されたという知らせ…。ふくらはぎを痛めて、思うような投球ができなかっただけに、さぞかし悔いを残しながらチームを離れたことだろう。
くしくも藪にかわって3Aフレズノに合流するといわれているのは、6月にジャイアンツとマイナー契約を結んだ高津臣吾投手(40)だ。高津は91年から03年まで13年間ヤクルトに、藪もまた94年から04年までの10年間阪神に在籍してほぼ同時代に日本のプロ野球を背負ってきた。メジャー移籍は高津が04年、藪が05年と、メジャーのプレーでも重なった時期がある。その2人が時を経て、同じチームの入れ替わりになるというシナリオ。誰が書いたのだろうか…。
一方、もう1人の40歳、伊良部秀輝投手は、1度引退したが5年ぶりにマウンドに戻ってきた。野球から離れ5年の日々を過ごす間、マウンドに置き忘れてきたものが見つかったのかもしれない。時々見せる表情がやけに楽しそうだ。このまま順調にイメージを取り戻して行けば、決して容易くはないが、再びメジャーのマウンドに登ることも夢ではない。
男40歳。シチュエーションはそれぞれ違っているが、この3人に共通する思いは「もう1度メジャーのマウンドに登りたい」であり、明確な意思を持ってそれを目指している。行く人、来る人、男たちの交差点で見たものは、彼らの体にほとばしる「野球への熱い思い今もなお」だった。
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- 鉄矢多美子(てつや・たみこ)
- 福岡県に生まれる。成城大在学中から、硬式野球部のマネジャーを務めるかたわら、ウグイス嬢の道に。1977年にロッテ・オリオンズ球団(現在の千葉ロッテ・マリーンズ)に入社して、ウグイス嬢と広報担当を兼務。87年12月からフリーに。 野球のあるとこどこまでも、の精神で、日本国内はもとより、アメリカ大リーグをはじめ、キューバ、ドミニカ共和国、プエルトリコなどに足繁く通う。将来は野球をモチーフにした一大スペクタル小説を書くのが夢。著書は「サミー・ソーサ 心はいつもホームラン」(集英社インターナショナル)、「もっとカゲキにプロ野球」(講談社)、「素顔の野茂英雄」(小学館)、「熱球伝説」(岩波書店)。
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