2009年01月20日
第217幕 ドミニカ共和国のWBC本気度
ドミニカ共和国で長年テレビ、新聞、ラジオなどで野球をカバーし続けているスポーツキャスターの第一人者、プフォルス氏がWBCについてこんなことを言った。
「ドミニカ共和国と野球は塩とコショウみたいなもの。文化そのものなんだ。だから最初の大会に勝てなかった時は国が沈むのではないかと思うほどみんな落胆した。だから今回は勝ちに出る。いや、絶対に勝たなければならない。それには1にも2にも事前準備だ」。
その言葉を裏付けるかのように、現地19日(日本時間20日)、首都サントドミンゴから、車で東に40分ほどのボカ・チカにある施設で、事前合宿ともいえるミニ・キャンプが始まった。参加選手として名前を連ねたのは60名を超えている。もちろんその中にはメジャーのスーパースターとして名を馳せる選手がズラリ。初日にはデビット・オルティス、ロビンソン・カノ、モイセス・アルー、オダリス・ペレスなどが顔を見せ、精力的に体を動かした。
いつもの年なら、1月中旬から下旬にかけてドミニカ共和国はウインターリーグの終盤、ファイナルチャンピオンシップで、上よ下よの大騒ぎになっているころだ。今週から始るファイナルもいつもにくらべて盛り上がり度が低い。人々の関心を3月のWBCに大きく奪われているからだ。2006年の前回は準決勝でキューバに敗れ苦杯をなめたことから、何としてもその雪辱を果たさねばと挙国一致でWBCを戦い貫かなければと、それほど今から気合が入りまくっているのだ。
今のところ、乗り降り自由の練習形態をとっているが、フェリッペ・アルー監督のもと、来週からはアレックス・ロドリゲス、アルバート・プホルス、ブラディミール・ゲレーロ、ペドロ・マルティネスなども合流し、メジャーリーグスーパースターズが勢ぞろいする。このミニ・キャンプはメジャーキャンプの集合日の直前まで行われるのだという。「塩とコショウ」(つまりなくてはならないもの)と位置づけられるドミニカ野球の本気度がひしひしと伝わってくる。
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- 鉄矢多美子(てつや・たみこ)
- 福岡県に生まれる。成城大在学中から、硬式野球部のマネジャーを務めるかたわら、ウグイス嬢の道に。1977年にロッテ・オリオンズ球団(現在の千葉ロッテ・マリーンズ)に入社して、ウグイス嬢と広報担当を兼務。87年12月からフリーに。 野球のあるとこどこまでも、の精神で、日本国内はもとより、アメリカ大リーグをはじめ、キューバ、ドミニカ共和国、プエルトリコなどに足繁く通う。将来は野球をモチーフにした一大スペクタル小説を書くのが夢。著書は「サミー・ソーサ 心はいつもホームラン」(集英社インターナショナル)、「もっとカゲキにプロ野球」(講談社)、「素顔の野茂英雄」(小学館)、「熱球伝説」(岩波書店)。
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