2008年02月12日
第181幕 ヤンキース「V奪還」の刺客たち

カリビアンシリーズも終わり、ドミニカ共和国の選手たちは、それぞれのキャンプ地に向けて次々と母国を旅立つ日々が続いている。そんな中、ヤンキースのロビンソン・カノとメルキー・カブレラの2人は、いまだ母国に居残り、首都サントドミンゴの施設で、連日汗を流している。
彼らがトレーニングしているジムを覗いてみたら、デビット・オルティーズ、オダリス・ペレス、ラファエル・ソリアーノといったメジャリーガーたちが、呉越同舟、リラックスムードで体を動かしていた。筆者を見つけるなりカノとカブレラが駆け寄ってきて、いきなり「ヒデキはまだ日本?」と聞いてきた。「とっくに日本は発って、12日にはタンパに入るはずだ」と伝えると、2人の顔が一瞬引き締まったように見えた。
カブレラは「彼のことだから、日本でもいっぱいトレーニングしていたんだろうね」とか「体は引き締まっていた?」などといろいろと聞いてきた。そして「俺たちみんなが一丸となって突き進めば、きっと取り戻せるさ」と言った。その心は…ペナント奪還のための戦いはもう始まっている。どこにいても各自が高い意識を持って練習に取り組んでいさえすれば、きっとリベンジできる…ということのようだった。
今月7日に4年総額3000万ドル(約33億円)でヤンキースと再契約したばかりのカノは、目で見た限り、ひと回り大きく、逞しさが増してきたように見えたし、そのカノに「腰巾着」のようについてまわっている伸び盛りのカブレラは、昨年より自信に満ち溢れた表情を漂わせていた。
久しく若手が台頭してこなかったヤンキースだが、自信と力をつけてきた25歳と23歳のこの若き2人が実力を発揮すれば、チームの大きな推進力となることはまちがいない。ヤンキースV奪還のための刺客たちは、今、母国でキャンプイン直前の最後の調整を行っている。
(ドミニカ共和国にて)
※写真は、真剣な表情でトレーニングをするロビンソン・カノ
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- 鉄矢多美子(てつや・たみこ)
- 福岡県に生まれる。成城大在学中から、硬式野球部のマネジャーを務めるかたわら、ウグイス嬢の道に。1977年にロッテ・オリオンズ球団(現在の千葉ロッテ・マリーンズ)に入社して、ウグイス嬢と広報担当を兼務。87年12月からフリーに。 野球のあるとこどこまでも、の精神で、日本国内はもとより、アメリカ大リーグをはじめ、キューバ、ドミニカ共和国、プエルトリコなどに足繁く通う。将来は野球をモチーフにした一大スペクタル小説を書くのが夢。著書は「サミー・ソーサ 心はいつもホームラン」(集英社インターナショナル)、「もっとカゲキにプロ野球」(講談社)、「素顔の野茂英雄」(小学館)、「熱球伝説」(岩波書店)。
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