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2007年01月18日

第136幕 「ベネズエラのハンカチ王子」

 甲子園を沸かせた、早実・斎藤佑樹投手が、早稲田大学野球部の練習に参加し、再び佑ちゃんフィーバーを巻き起こしている。注目はトレードマークになったブルーのハンカチ。多くのラッキーを呼び寄せたハンカチだけに、早稲田大学でも使うのかどうか…だった。テレビのスポーツニュースでは、斎藤投手が額に汗すると、いっせいにアップで映し出し、その瞬間に期待を寄せた。

 だが、周囲の期待に反して、斎藤はハンカチを使用しなかったのだという。すごいと思うのはそれを使用しなかったというだけで、テレビのスポーツニュースや新聞を賑わせたことだ。自分が今置かれている状況、立場を冷静、的確に判断し、野球に集中しようとする心構えだけとってもスーパースター予備軍と言えるのではないだろうか?

 ところで、日本が佑ちゃんフィーバーで揺れ「メジャーでも通用する」などと騒がれていた昨夏、それならば…と筆者は、斎藤の投球VTRを持参し、大リーグを代表する投手、ツインズのヨハン・サンタナに投球を分析してもらうことにした。VTRを食い入るように見ていたサンタナが、いきなり「う~ん。変化球がいいね。打者へのアプローチが違う。すごい! いつの日かこっちでプレーするのを見たいねえ」と言った。

 と、次の瞬間、VTRに斎藤がブルーのハンカチを取り出して汗をぬぐう場面が出てきた。するとサンタナはそれにかなりの興味を示し「彼はいつもこうやって、ポケットからハンカチを取り出しているの? 実は僕も子供のころ彼と同じようにタオルをズボンの後ろのポケットに入れていて、同じように顔の汗をぬぐっていたんだよ。思い出すなあ」。その目には遠く故郷ベネズエラが浮かんでいるようだった。

 斎藤との共通点に少年時代を重ね合わせているサンタナに、彼のニックネームが「ハンカチ王子」であること、その1人の高校生の人気で日本国中が占拠されていること、ブルーのハンカチが飛ぶように売れていること、などなどを説明すると「それなら僕だってベネズエラの“ハンカチオージ”だよね?」と、胸を張り「ハンカチオージ」と繰り返しながら、ツインズのクラブハウスにスキップで入っていった。

 2006年のア・リーグ3冠王投手。シーズン終了後には2004年についで2度目のサイ・ヤング賞を受賞。ベネズエラでは国民栄誉賞ともいえる「プレミオ・ルイス・アパレシオ」に輝き、今メジャーリーグでもっとも力のある投手と評価されているサンタナ。その彼が斎藤の投球に強烈な印象を持ち「自分だってベネズエラのハンカチオージなんだ」とちょっぴり対抗意識を燃やしてきたことに、本家「ハンカチ王子」の威力を知らされる思いがした。


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ガンちゃんのまいど!
鉄矢多美子(てつや・たみこ)
 福岡県に生まれる。成城大在学中から、硬式野球部のマネジャーを務めるかたわら、ウグイス嬢の道に。1977年にロッテ・オリオンズ球団(現在の千葉ロッテ・マリーンズ)に入社して、ウグイス嬢と広報担当を兼務。87年12月からフリーに。  野球のあるとこどこまでも、の精神で、日本国内はもとより、アメリカ大リーグをはじめ、キューバ、ドミニカ共和国、プエルトリコなどに足繁く通う。将来は野球をモチーフにした一大スペクタル小説を書くのが夢。著書は「サミー・ソーサ 心はいつもホームラン」(集英社インターナショナル)、「もっとカゲキにプロ野球」(講談社)、「素顔の野茂英雄」(小学館)、「熱球伝説」(岩波書店)。

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