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渡辺史敏「from New York」のイメージ画像

渡辺史敏(わたなべ・ふみとし) 1964年生まれ。兵庫県出身。ニューヨーク在住。明大卒業後、科学雑誌出版社勤務を経て、95年フリーランスとして渡米。 現在はMLBをはじめ、NFL、サッカーなどの米プロスポーツと、IT分野で取材・執筆活動を行っている。 独自の視点で米国メディアの報道を分析、スポーツビジネスのレポートなどに定評がある。

急展開するAロッド問題

14年1月16日 [11:08]

 ヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手による禁止薬物使用問題が怒濤の展開を見せている。

 まず11日、昨年出されたMLBによる211ゲームの出場停止処分へのAロッドによる異議申し立てに対し、仲裁人が今シーズンの全162ゲームとポストシーズンの出場停止に減らす裁定を下した。

 が、Aロッドは即座にこの裁定への不満を表明。翌々日、13日に処分の破棄を求める訴訟を起こしたのである。この提訴がこれまで以上に注目されることになったのは訴えた相手がMLBだけでなく、大リーグ選手会まで含まれていたためだ。

 通常このような問題に対して選手会は選手側に立ち、擁護する。それが選手からいわば噛みつかれる事態になったのだから皆が驚くのも無理はないだろう。これについてAロッド側は昨年11月に脳腫瘍でなくなった選手会トップの故マイケル・ウィーナ氏が昨夏、Aロッドにより軽い処分を受け入れるよう勧告したことなどを強く非難し、「ロドリゲスの権利を守る義務を放棄し、何も行動を起こさなかったことで、MLBが踏みにじりやすい空気をつくった」としている。

 また当然のように仲裁人のフレデリック・ホロビッツ氏についても「明確に不公平」で「薬物検査の結果にも基づいていない」と非難している状況だ。

 まさに噛みつけそうな相手全てに噛みついている、っといった感じである。ただAロッドが感情的になってこのような行動に出ているわけではない点は留意すべきだろう。あくまでAロッドが雇用している弁護団による策なのだ。あくまで徹底抗戦し、さらに処分を軽くしたいというのが狙いだと思われる。

 ではなぜここまで抗うのかというと大きく2つの理由が議論されている。一つはサラリーの問題だ。Aロッドはヤンキースと2017年まで総額2億7500万ドルの10年契約を結んでいる。今シーズンは3100万ドルが支払われることになっていると見られるが、全ゲーム出場停止となるとヤンキースはこれを払わなくてもよくなるのだ。いきなり3100万ドルの収入減はなんとしてもさけたいのだろうというのである。

 もう1つは年齢の問題だ。Aロッドは今年7月で39歳になる。もし今シーズンを棒に振れば、来年復帰できる保証はない。しかも通算本塁打は654本で、史上5位。バリー・ボンズの762本越えを狙うAロッドとしては1シーズンも無駄にしたくないのは当たり前かもしれない。

 春季トレーニングには参加する意向だというAロッド。裁判がどのように転ぶかでその行方は大きく変わりそうである。

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