2009年9月08日
湘南松本啓二朗、練習あるのみ
期待に応えるには「練習」しかありませんと話すのは湘南の新人、松本啓二朗外野手(23)だ。
打撃練習では鋭い打球を左右に打つ。打撃センスは誰よりも良い。バットコントロールが良い。早大時代は1年秋からベンチ入りを果たし、3番を打ち通算100安打、3年時には盗塁王、4年時には首位打者と巧みな打撃を見せ08年世界大学選手権出場、07年大学選手権優勝、ベストナインの獲得と好打者の片鱗を見せた。「1番中堅手」の即戦力としてドラフト1位で入団した逸材だ。
4月25日再調整で1軍登録を抹消されてイースタン・リーグ初出場は4月26日の日本ハム戦で「1番中堅」で先発出場した。日本ハムの先発投手は早大の先輩、藤井。1打席目三振、2打席目右飛、3打席目一併、4打席目三振と容赦しないピッチングだった。9回の5打席目に新人の土屋からイースタン・リーグ初安打の右前打。松本は「言い訳はしたくない。集中力です」と力説。松本らしい打撃を見せたのは6月9日楽天戦の3回先頭打者で愛敬の6球目ストレート(134キロ)を右中間に三塁打、そして打者が一巡し走者二、三塁で救援の菊地の5球目スライダー(132キロ)を右中間に三塁打し打点2。イースタン・リーグ初のイニング2三塁打を記録。同10日楽天戦でも「1番中堅」で先発出場し2、3、4、9回に木谷、松本、チルダース各投手から安打し5打数4得点、4安打、5打点、四球1で核弾頭ぶりを見せた試合だった。
6月中旬に体調を崩して欠場する事もあった。前半戦は38試合、打率2割6分3厘、本塁打0、打点15、盗塁4、出塁率3割2分3厘。松本は「不本意だった」と苦笑い。関係者は「結果を恐れずに使えば働く。攻走守は素晴らしい。将来のリードオフマンだ」と評価。7月に入ると15試合で11試合に安打し打率2割9分6厘と夏場に強いところを見せた。
8月に入っても9試合連続安打(打率3割5分1厘、本塁打1、打点4)を含み8月21日ロッテ戦では5回一塁で香月の2球目スライダーを右中間にプロ入り初本塁打。8月15日ヤクルト戦から高木2軍監督代行は1番を打たせている。松本は「1試合2安打を目標にして練習です」と言う。9月6日ヤクルト戦の9回に木田から中前打しイースタン・リーグで70安打目を記録。
9月に入ってもチームの首位争いに活躍だ。9月2日の日本ハム戦でも「1番中堅」で出場し3安打。松本は「体調もいい。与えられたチャンスを大切にして1軍に行けば阪神の藤川さんから打ちたい」と力強い。高木2軍監督代行は「秋には攻走守を鍛え上げる。松本1人じゃない。底上げに若手を鍛える。人並みの練習では駄目だ」と言う。
9月7日現在、63試合、打率2割7分、本塁打1、打点24、盗塁9、出塁率3割1分5厘。松本は「精神面の強化、打席の中で平常心で打てれば最高。頑張ります」との顔も厳しくなってきた。期待が出来る。
◆松本啓二朗(まつもと・けいじろう)1986年(昭61)6月24日生まれ、千葉県出身。23歳。千葉経大付-早大。180センチ。78キロ。左投げ左打ち。08年ドラフト1位入団。目標の選手は「シアトル・マリナーズのイチロー(鈴木一朗)選手のバットコントロールが勉強になる」と言う。好きな言葉は「為せば成る」。遠投110メートル。本塁から一塁までの走力タイム3・92秒。高校時代の通算打率3割9分以上。本塁打20本。打順は4番で投手と外野手。大学時代の通算打率3割4分以上。本塁打15本。打順は3番で打力を生かすために投手から外野手に転向し通算100安打達成は27人目。ベストナイン5回。プロでのオープン戦出場は2月28日の日本ハム戦(宜野湾)で右前打、二塁内野安打、死球、左前打で「1番中堅」で出場し4打数3安打、盗塁1とセ・リーグで25年ぶりの新人3安打(84年小早川毅彦、広島以来)のデビュー。オープン戦通算は19試合、76打数20安打、打点1、盗塁5、打率2割6分3厘。1軍初出場は4月3日中日1回戦(ナゴヤドーム)で一ゴロ、一ゴロ失、投ゴロ、二ゴロと「1番中堅」で先発出場で4打数ノーヒットの初出場。4月25日再調整で1軍登録抹消された。1軍での成績は14試合、34打数5安打、打点1、盗塁1、四死球2、三振8、打率1割4分7厘。ニックネームは「ケイ」。今後の活躍に期待。
○…ヤクルトは9月1日ロッテ戦で4年目の村中が今季8度目の先発登板。投球回7、投球数125球、打者29、安打4、四死球2、三振11、失点1、自責点1の7回まで毎回奪三振11。最速146キロにフォーク、スライダーの変化球も安定し、被安打4と首位ロッテ打線を料理する力投。テンポ、腕の振り、コントロールは文句なしのピッチングで今季3勝2敗。9月1日現在、投球回39回2/3、四死球13、三振23、失点17、自責点16、防御率3・63。2番手の山田も8回に定岡を空振り三振1、3番手の木田も9回南を7球目フォーク(125キロ)で空振り三振1を奪取しヤクルト投手陣3人でロッテ打線を毎回の13奪三振で4-3で勝ちチームは40勝目。敗れたロッテは91試合、52勝38敗1引分け、勝率5割8分4厘で2位湘南とゲーム差0で同率首位となった。
○…湘南は8月27日以来の首位。9月2日の日本ハム戦で1回6連続安打を含む打者11人で本塁打1(関口5号)、安打7、四球2で一挙6得点。4回にも4安打で3得点。6回にも1安打、四球3(押し出し四球)で1得点の合計10得点と投打は気合い十分だ。先発の小林太志投手(26)は最速145キロに変化球の制球力も良く投球回8、打者33、安打12(本塁打2)、四死球0、三振4、失点4、自責点4で2勝目を記録。打撃陣もチーム16安打で1番松本3安打1打点、4番呉本も3安打3打点、5番関口も5号2ランと先発陣の7番下窪を除いて16安打、二塁打2、本塁打1で首位を走るチームらしく投打の歯車が一致。高木2軍監督代行は「試合を大事に選手達が頑張っている。頑張れば1軍へのチャンスもある。選手達は理解していますよ」と信頼をしている。
○…日本ハム中田は9月27日湘南戦で「4番一塁」で先発出場。1回2死から鵜久森が小林の3球目を左翼席に15号ソロで口火を切った。中田も小林の4球目スライダー(132キロ)を左中間場外(推定130メートル)へイースタン・リーグのタイ記録となる27号(92年巨人大森、01年西武ポール各選手の27本塁打)。3回の2打席目に小林の初球ストレート(142キロ)をイースタン・リーグ新となる28号ソロを左中間に打ち込んだ。8回にも小林から5球目を右前打し、この日は4打数3安打、2本塁打、2打点、1併殺打。9月2日現在で76試合、打率3割2分3厘、本塁打28、打点90、盗塁4、長打率6割7分3厘、出塁率3割6分。中田は「本塁打よりも打率が上がる方がうれしい」と言う。この日のアナウンサーの滝坪里見さん(3年目、ファイターズ鎌ケ谷スタジアム担当)は「すごいホームランでした。記念の本塁打を放送できて楽しい思い出になりました」と美声で観客を酔わせた。
○…日本ハムは9月3日湘南戦の最終戦で出場人員10人で全員得点21得点、全員安打18安打、全員打点19打点のイースタン・リーグ新記録をつくった。得点4は佐藤、得点3は鵜久森、飯山、得点2は4人、1得点は3人。安打2は8人、1安打は2人。打点4は市川、打点3は佐藤、打点2は4人、打点1は4人でそれぞれ記録した。私も公式記録員38年の生活の中で1軍、イースタン・リーグではこのような経験がありません。珍しいスコアブックを書けて驚いた。湘南先発の阿斗里(20)が投球数31球、打者9、投球回1/3回、安打5、四死球3、三振0、失点8、自責点7の乱調で日本ハム打線に火を付けた。湘南の福本育成担当は「初めての経験ですよ。明日から気持ちを切り替えてしっかりと頑張って欲しい」と話した。日本ハムで最後に安打した鵜久森は5回2死二塁から高宮の2球目をバックスクリーン左に今季16号2ランで全員安打となった。鵜久森は「体調も良くバットがシャープに振れる」と笑顔。9月3日現在、65試合、打率3割1厘、本塁打16、打点48、盗塁5、長打率6割2厘、出塁率3割4分7厘。好調な打撃を見せる背番号65に注目だ。湘南は1-21で負けて2位に転落しロッテが首位に立った。
○…西武の新人、坂田遼選手(横浜創学館-函館大、178センチ、86キロ、右投げ左打ち、08年ドラフト4位入団、22歳)は9月2日ヤクルト戦で6、7回に川島亮から左線二塁打、右前打を含み5打席、4打数2安打、3打点、死球1で打席数246になり首位打者(打率3割4分5厘)に立った。9月4日ロッテ戦で右ひじに違和感を覚え5日ロッテ戦を欠場。9月2日現在、74試合、打率3割4分5厘、本塁打9、打点35、盗塁1、長打率5割3分7厘、出塁率3割8分8厘と新人離れした活躍。74試合で52試合に安打。2安打以上が21試合。11、6試合連続安打も記録。坂田は「残念ですよ。期待に応えられず情けない。体調に気を付けます」と1日で首位打者の座を明け渡し残念そうだった。
○…ヤクルトの育成選手、塚本浩二投手(豊中-神戸大-ワイテック-四国・九州リーグ香川、180センチ、82キロ、右投げ右打ち)は9月6日湘南戦でプロ入り2度目の先発で投球数65、打者19、投球回5、安打6、三振1、失点2、自責点2でチームが7-5で勝ちうれしいプロ入り初勝利を挙げた。この日はシンカー、スライダーを投げ3回に4安打され2失点を許したが塚本をリードした新人の中村は「打者の手元で球の切れが良く湘南打線は苦しんだ。初勝利の手伝いが出来てうれしい。これからもお互いに勉強して1軍を目指して頑張りたい」と初勝利を導くリードに笑顔。熊田2軍マネジャーは「苦労人で真面目です。黙々と練習をします。頑張ってきた努力が実った」と初勝利を喜んだ。9月6日現在、9試合、1勝1敗、打者89、投球19回1/3、被安打32、四死球4、三振5、失点14、自責点14、防御率6・52。活躍に期待したい。
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- 河野祥一郎(こうの・しょういちろう)
- 1940年(昭和15年)愛媛・今治市生まれ。59年愛媛県立西条高校卒。同校野球部では内野、外野を守り1番を打った。芝浦工大に進学し、大学2年から野球部マネジャーとなり、同校野球部の東都大学野球リーグ優勝や、明治神宮大会などで日本一のチーム作りに貢献する。
63年の卒業と同時に、日本プロ野球機構コミッショナー参与で東大野球部監督だった神田順治氏の推薦により、セントラル・リーグ野球連盟の記録部に入社。66年から5年間、故鈴木竜二元セ・リーグ会長宅に下宿し、プロ野球について勉強。69年4月15日大洋対広島1回戦(川崎球場)で、公式記録員のスタートをきる。
数々の名勝負、名場面の中でも、73年8月30日阪神対中日の延長11回ノーヒットノーラン試合、76年の巨人加藤初投手のノーヒットノーラン試合、94年巨人槙原寛巳投手の完全試合、97年のヤクルト石井一久投手の、98年の阪神川尻哲郎投手のノーヒットノーラン試合を担当した。
そしてイースタン・リーグでも82年日本ハム芝投手や、99年巨人入来祐投手のノーヒットノーラン試合も見届けた。 日本シリーズ3度、オールスターにも5度参加し、71年のオールスター第1戦(西宮)で阪神江夏豊投手の9連続奪三振と、全セのノーヒットノーランを担当した。
公式記録員38年間で1808試合を担当し、99年に退職した。
著書に「スコア・ブックのつけ方」(86年)がある。
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