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2009年8月24日

ヤクルト中村捕手は将来性豊か

 将来楽しみな若手捕手がいる。ヤクルトの新人、中村悠平捕手(19)だ。

 首脳陣が将来性を高く評価。某球団は「チームでドラフトしようとした捕手だ。スカウトの間では強肩、フットワーク、バットコントロールが高く評価された逸材だ」と逃した魚の大きさを今も悔しがる。

 キャンプは2軍からスタートした。中村は「練習の内容が違う。今年は体作りが目標だと思った」と言う。「プロの投手の第1球を受けたのは花田真人投手(10年目、31歳)でした。第1球はスライダーでした。恥ずかしいですがミットにかすりもしなかった」と振り返る顔には「性格の強さ」があった。1軍の夢に向かって練習に汗を流すが「ヤクルトの林昌勇投手(イム・チャンヨン)の球を受けたい」と言う。

 オープン戦では3月29日西武戦で9回代打でグラマン投手と対戦して三振。オープン戦結果は1試合、1打数ノーヒット、1三振で終わったが、中村は「1軍で初安打は中日のチェン投手から打ちたい」と強気だ。野球漬けの毎日だったがイースタン・リーグ初出場は3月24日の日本ハム戦で「8番捕手」で先発し増渕、塚本、西崎、鎌田の各投手をリードした。打撃では3回1打席目は植村投手の2球目を打って中飛。2打席目は四球で出塁し一塁ベースに立った。9番鬼崎が今季初のイースタン満塁本塁打でプロ初得点。3打席目の5回松山投手の7球目を空振り三振、4打席目は右飛。中村は「勝利に貢献出来たが緊張した試合で目配り気配りで勉強が出来ました」と振り返る。4月までは9試合、16打数1安打、1打点、打率6分3厘と不本意だった。

 5月5日の日本ハム戦で「8番捕手」で先発し赤川、橋本、松井の各投手をリードし142球を受けた。打撃では3回武田勝投手の初球を左前打、2打席目の5回一、二塁で星野投手の2球目スライダー(123キロ)を鎌ケ谷球場の左翼席にプロ入り初本塁打。中村は「初安打も嬉しかったがベースを1周する気持ちは最高でチームの勝利を確信した」と攻守に捕手の片鱗を見せた。古久保2軍バッテリーコーチは「勉強する面が多いが強肩、送球、思い切ったリードが良い」と評価。真中2軍打撃コーチは「課題はパワーだ。練習だね」と評価。

 前半戦の7月21日までは25試合、48打数9安打、本塁打2、打点5、打率1割8分8厘と苦しんだ。中村は「前半戦は不本意で反省ですよ。8月になって調子が出ました」と言う。8月1日湘南戦では11回2死一、三塁で松家投手の2球目を中前打と思わせる打球を二塁手の北川選手に好捕されたが二塁内野安打のサヨナラ安打。8月4日の日本ハム戦でも2回二塁で土屋投手の2球目チェンジアップを先制打の中前打、3回二、三塁で土屋投手の4球目ストレートを左前打の2打点でチームの勝利に貢献だ。

 8月14日西武戦では赤川投手を好リード。7回1/3、打者26人までノーヒットに抑える好リード。9番大崎に122球目のストレートを右前打され新人バッテリーのノーヒットノーランは消えた。中村は「初めての経験で良い勉強が出来た。今季の20安打目を打った。頑張りますよ」と悔しい顔を見せた。猿渡2軍監督は「慣れてきたな。楽しみな捕手。練習も頑張る。期待が出来る」と評価。課題は「外角コースのキャッチングで球審に良く見られるキャッチングが大切」との声だ。8月23日楽天戦でも元気いっぱいだ。2回一、二塁で逆転の足掛かりとして松崎投手から初球シンカーを左翼越え二塁打の打点1。9回にも左前打でこの日は2安打。注目の若手捕手だ。

 8月23日現在、38試合、打率2割6分7厘、本塁打2、打点12、盗塁0、出塁率3割2分6厘。捕手では35試合、失策1、捕逸1で強肩捕手だ。

 ◆中村悠平(なかむら・ゆうへい)1990年(平2)6月17日生まれ。19歳。福井県出身。福井商卒。176センチ。70キロ。右投げ右打ち。08年ドラフト3位入団。高校時代の通算打率3割5分以上、本塁打20本、打順4番で捕手。高校時代は「強肩と正確な送球が持ち味で捕手として研究熱心な捕手」と評価。好きな言葉は「日々是好日」。目標の選手は「中日の谷繁捕手と阪神の矢野捕手の配球とリードが参考になります」と話す顔つきは精悍だ。遠投105メートル。本塁から二塁までの送球タイム1・8秒。一塁から本塁までの走力タイム4・3秒。捕手というポジションは「扇の要」だと思う。高校野球で思い出に残る試合は「1年生から捕手に恵まれた。やはり07、08年の甲子園での試合です。勉強ができました」と言う。1軍への出場の時は「両親を球場に呼びます。全額を持ちます」。父克彦さん、母有紀さんを今年の7月23日フレッシュオールスター(札幌ドーム)に招待し北海道旅行をプレゼントした。「旭山動物園に行ったそうです」と笑った。ニックネームは「ムーチョ」。血液型A。独身。「今は野球一筋です。背番号52を忘れないで下さい」と言う。身体能力はある。ファームで捕手業を勉強する楽しみな若手捕手に注目。

 ○…巨人は8月19日ヤクルト戦で田中4番、大田5番の連続本塁打でヤクルトに快勝。3回田中が、川島亮投手の3球目ストレート(142キロ)を9号ソロ。大田も川島亮投手の4球目カットボール(133キロ)を左中間に14号ソロで2得点の先制打点。この日の田中は4打数2安打、本塁打1、打点2。大田は4打数1安打、本塁打1、打点1で6月16日以来の4番、5番の本塁打は2度目。この日は12年目高橋由伸選手(34)がイースタン・リーグでプロ初となる一塁手を守った。初めての一塁手だったがまだまだ練習と慣れが必要と思わせた。打撃面は3打数1安打で8回に一塁手を交代した。

 ○…首位の湘南の核弾頭、松本啓二朗選手(23)が8月19日西武戦で「1番右翼」で先発し1回長田投手の2球目を左前打、2番の初球に二盗を決めた。2回にも長田投手の2球目を左中間二塁打、4回にも長田投手の4球目を脚力を生かして遊撃内野安打の3連打と復調を思わせた。「首位争いだから新人の活躍は大きい」と2軍関係者。首位攻防の第1ラウンド、8月21日ロッテ戦ではフリー打撃から左右に鋭い打球。試合でも4回まで湘南は2-0と僅差のリードだった。1番中堅の松本は5回1死一塁で香月投手の2球目スライダー(117キロ)を右中間にプロ入り1号2ランの駄目押し打。高木2軍監督代行は「良いスイングだ。コンスタントに打てたら1軍だ」と期待する。ネット等では「野球に集中し1軍で活躍できる選手だから早く1軍で一発を打って欲しい」との声。8月21日現在、51試合、打率2割6分8厘、本塁打1、打点21、盗塁8、出塁率3割2分1厘。外野守備でも51試合、失策3だが、思い切った打球を追う姿にも1軍を意識している。松本は「やっと一発です。チャンスを大切にして競争に勝ちたい」と闘志を見せる。

 ○…湘南関口雄大外野手(24)は8月22日ロッテ戦の8回2死満塁で橋本健投手の5球目ストレート(140キロ)をプロ初の逆転満塁4号。ネット裏では「勝負強い。闘志がある。8月は打っているでしょう(13試合、打率3割2分1厘、本塁打2、打点10)。楽しみな選手ですよ」と評価。昨年育成選手として入団(背番号111)。昨年の12月に支配下選手に登録され背番号65となった。関口は「今年は1軍にも初出場し初安打も記録できた。チャンスを大切にするだけです。試合は逆転負けで残念でした」と静かな闘志を見せる若手に注目。8月22日現在、57試合、打率2割9分、本塁打4、打点29、盗塁0、出塁率3割2分5厘。高木2軍監督代行は「練習の好きな若手だ。ファームでも4番を打っているしパワーもある。注目して欲しい」と評価。

 ○…楽天の2年目、伊志嶺忠捕手(北谷高-東京情報大、178センチ、78キロ、右投げ左打ち)は8月18日ロッテ戦で9回2死満塁で橋本健投手の9球目ストレート(144キロ)を右翼に代打逆転サヨナラ満塁弾の2号(イースタン・リーグ5人目)。伊志嶺は「1-2と負けているので狙うしかないと思った。ボールカウント2-2だったので読みが当たりました。沖縄の伯父ちゃん、伯母ちゃんに見せたかった」と笑顔の良い24歳。この試合を担当した伊藤公式記録員は「初めての経験です。良い試合を担当できて嬉しかった。いつか1軍でも経験したいですね」と振り返った。


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河野祥一郎「今週のイチ押し!」
河野祥一郎(こうの・しょういちろう)
 1940年(昭和15年)愛媛・今治市生まれ。59年愛媛県立西条高校卒。同校野球部では内野、外野を守り1番を打った。芝浦工大に進学し、大学2年から野球部マネジャーとなり、同校野球部の東都大学野球リーグ優勝や、明治神宮大会などで日本一のチーム作りに貢献する。
 63年の卒業と同時に、日本プロ野球機構コミッショナー参与で東大野球部監督だった神田順治氏の推薦により、セントラル・リーグ野球連盟の記録部に入社。66年から5年間、故鈴木竜二元セ・リーグ会長宅に下宿し、プロ野球について勉強。69年4月15日大洋対広島1回戦(川崎球場)で、公式記録員のスタートをきる。
 数々の名勝負、名場面の中でも、73年8月30日阪神対中日の延長11回ノーヒットノーラン試合、76年の巨人加藤初投手のノーヒットノーラン試合、94年巨人槙原寛巳投手の完全試合、97年のヤクルト石井一久投手の、98年の阪神川尻哲郎投手のノーヒットノーラン試合を担当した。
 そしてイースタン・リーグでも82年日本ハム芝投手や、99年巨人入来祐投手のノーヒットノーラン試合も見届けた。  日本シリーズ3度、オールスターにも5度参加し、71年のオールスター第1戦(西宮)で阪神江夏豊投手の9連続奪三振と、全セのノーヒットノーランを担当した。
 公式記録員38年間で1808試合を担当し、99年に退職した。
 著書に「スコア・ブックのつけ方」(86年)がある。

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