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2009年8月18日

首位打者狙うヤクルト中尾

 開幕から好調をキープしているのがヤクルト2年目、中尾敏浩外野手(26)だ。

 「好調の秘密は練習の結果だ」と話す。努力と練習で積み重ねた結果だ。非凡なミート力、高い打撃センス、バットが軽く見える好調さはすごい。大田2軍打撃コーチは「コンスタントに打てる。左右に打てるポイントがある」と言う。

 3月20日ロッテとの開幕戦で「7番左翼」で先発し2回一塁で服部投手の3球目を右三塁打の同点打。6回二塁でも上野投手の3球目フォークボール(126キロ)を左中間に駄目押しの二塁打。4打数2安打2打点で開幕戦勝利に貢献。翌日のロッテ戦でも3打数2安打とスタートからリズムに乗った。3、4月は20試合全試合に出場し、73打数21安打、打点6、打率2割8分8厘。猿渡2軍監督は「エネルギーがバットに伝わっている。好調も本格的だ」と評価。

 5月も好調。5試合連続安打を含み5月20日の日本ハム戦の6回多田野投手から3球目を右中間に今季1号ソロの逆転本塁打。主力打者として勝負強さも発揮。梅雨時もエネルギッシュだ。1試合3安打が3度、6月13試合で月間打率3割2分4厘。夏場は1軍に向かって気合十分だ。

 7月は3試合連続安打でスタートし区切りの50安打も記録。7月14日ロッテ戦の6回に香月投手の4球目を右翼に今季2号ソロ。7月21日西武戦で2、4回にワズディン投手から中前打を2本、8回に平野投手の2球目を三塁内野安打で今季5度目の3安打で6試合連続安打。

 前半戦は60試合、打率3割1分9厘、本塁打2、打点23、盗塁4、出塁率3割9分4厘で打撃順位3位。守備面では外野手49試合、失策1。各チーム編成部も「1軍は近いですよ。1軍は左打者が多いから頑張ってほしい」と期待の声。

 後半戦も前半戦からの好調さを維持し9試合連続安打でスタート。7月31日巨人戦で「3番左翼」で先発し2回一、二塁で福田投手の3球目を右二塁打で打点1。3回宮本投手から四球。4回満塁で宮本投手の5球目を中前打し打点2。6回には村田投手からイニング2安打の中前打。8回に大抜投手の7球目を中前打。3回の四球を挟んで初の5連打。

 7月31日現在で63試合、打率3割3分3厘、本塁打2、打点27で首位打者に立った。中尾は「狙えるものは取りに行く。目標は1軍だ」と言う。真中2軍打撃コーチも「好調だ。1軍で使って欲しい1人だ。チャンスを大切にしろ」とハッパをかける。

 8月も夏バテ知らず。8月1日湘南戦で「3番左翼」で先発し、1回一塁で吉川投手から中前打。9回一塁で横山投手から中越え三塁打。8月4日の日本ハム戦でも1、6回に中前打し12試合連続安打。翌日の日本ハム戦も2安打。8月7日楽天戦でも朝井、渡辺各投手から安打し4試合連続の2安打を含み13試合連続安打と好調。結果が認められて8月8日待望の1軍登録。1軍で2試合、2打数ノーヒットで8月13日1軍登録を抹消されたが中尾は「勉強になった。良い空気だった。もちろん1軍狙いです」と元気。

 8月14日西武戦では1回に長田投手から右前打し二盗も成功し14試合連続安打。守備でも6回に西武の1番浅村選手のヒット性のライナーをスライディングキャッチの好プレーを見せた。打撃は相変わらず好調だ。8月15日湘南戦で10試合連続3番左翼手で出場し、7、9回に田中投手から2安打し9回にシーズン80安打目をクリーンヒット。7月14日ロッテ戦から15試合連続安打で打率首位を守る。

 8月15日現在、69試合、打率3割4分5厘、本塁打2、打点28、盗塁6、四死球31、三振35、出塁率4割1分9厘。三塁打6、出塁率は8月15日現在イースタン・リーグ第1位。守備面では外野手58試合、失策1、守備率9割9分。「1軍で初安打を目指して挑戦します」と元気いっぱいだ。

 ◆中尾敏浩(なかお・としひろ)1982年(昭57)11月12日生まれ。26歳。178センチ。76キロ。右投げ左打ち。福岡県出身。PL学園-青学大-JR東日本。07年大学・社会人ドラフト5位入団。高校時代は2、3年時に二塁手として活躍。通算打率3割5分以上、本塁打15本。大学時代は4年春首位打者。通算打率3割以上、本塁打15本、外野手(中堅手)。社会人時代は06年インターコンチ杯に日本代表として出場。遠投105メートル。本塁から一塁までの走力タイムは4・1秒。好きな言葉は「平常心」。目標の選手は「今年もいません。自分との戦いですから」と笑う。1軍初出場は09年8月8日巨人12回戦の7回代打出場し遊ゴロ、投手グライシンガー(神宮)。今年の目標は「1軍に定着しチームの勝利に貢献したい」。中尾をスカウトした宮本スカウトは「高校時代は内野手で大学時代に外野手に転向したが、私が見た所は打撃面だった。左打者だけに推薦できると確信した」と打撃センスを高く評価。既婚。血液型O。ニックネームは「トシ」。背番号56の打撃に注目して欲しい。

 ○…ロッテの勢いはすごい。8月11日ヤクルト戦で7月21日1軍抹消になった大嶺は最速149キロに変化球の制球力も良く投球回5、投球数94、安打7、四球1、三振4、失点2、自責点1でイースタン・リーグ5勝目、防御率1・93。ネット裏では「ナイスピッチングだ。前日はランニングで下半身強化をしていた」との声。大嶺は「シンカーが良かった。スライダーでストライクが取れるようにしたい。2回打球が左足に当たり(投直)目が覚めましたよ」と苦笑い。8月11日現在、チーム防御率3・48(1位)。チーム打率2割8分(3位)と投打のバランスが良い。打線では南が打率2割9分、角中が打率3割1分6厘、ムニスが打率3割5分、神戸が打率2割5分だが本塁打12、打点41はチーム2冠王。新里が打率2割8分4厘とどこからでも打てる強力打線は粘り強い。関係者は「監督は打線をあまり変えない。出場選手を信頼している」と投打の活躍が楽しみだ。湘南、ロッテ、日本ハムの3強の争いが注目されている。

 ○…ロッテは8月13日の日本ハム戦に7-1で勝利しチーム成績を77試合、44勝32敗1引分け、勝率5割7分9厘とした。首位を走っていた湘南はこの日、楽天戦で楽天の5投手に完封された。勝利投手は渡辺恒で投球数15、投球回1回1/3。湘南は77試合、44勝33敗、勝率5割7分1厘で8厘差でロッテに首位を明け渡した。ロッテ関係者は「本当に強いですよ。1軍経験者も多く投打のバランスが良い。まだまだ首位争いは続きますよ」と明るく話した。

 ○…日本ハムの2年目、中田翔内野手(20)は8月13日ロッテ戦で「4番一塁」で先発出場。1、3回に香月投手から左前打の2安打。7回の3打席目は中飛。9回1死後の4打席目に川崎投手の初球スライダー(125キロ)を左中間に今季25号ソロ。この日は4打数3安打、本塁打1、打点1。これで8月13日現在、73試合、打率3割2分3厘、本塁打25、打点86、盗塁4、四死球20、三振68、長打率6割5分6厘と高長打率で安打数93も最多。打率は1位中尾(ヤクルト)3割4分4厘に次ぐ2位となり、3冠王に向かって走る中田の打撃フォームは「自然体」との声が聞こえる。

 ○…ヤクルトのドラフト1位、赤川克紀投手(19=宮崎商、184センチ、87キロ、左投げ左打ち)は8月14日西武戦で今季12試合の先発登板。1番浅村選手に第1球目は128キロのボールからスタートし5回まで投球数73球、打者17、三振6、四死球4でノーヒットピッチング。6、7回もノーヒットに抑えて新人バッテリー(捕手中村=19)でノーヒットノーラン試合を思わせる内容。7回で投球数105球と多くスタミナが問題となった。8回7番三浦選手を右飛、8番代打の野田選手に四球で投球数115球、9番大崎選手に7球目カウント2-3からのストレート(133キロ)を右前打されてノーヒットノーランは消えた。最速135キロにスライダー、フォーク、ツーシームの変化球も良かった。西武の福島ファームディレクターは「先月も赤川君に2安打(5回)と抑えられた。ツーシームとスライダーの切れも良くストレートも良かった。日本ハムの土屋投手、ヤクルトの赤川投手の高校出は良いですね。西武の若手も頑張って欲しい」とこの日のピッチングを評価。赤川は8月14日現在、12試合、2勝2敗、打者243、投球回54回2/3、安打54、本塁打7、四死球34、失点34、自責点32、防御率5・27。注目したい投手だ。

 ○…湘南は首位のロッテを0・5ゲーム差で迫っている。8月15日ヤクルト戦で湘南の3年目、高森は7回に吉川投手の5球目ツーシーム(130キロ)を横須賀球場の右翼場外(推定130メートル以上。球場職員が確認。)に今季12号ソロでチームに勢いをつける。8回にエラーで1-1の同点になったが、11回裏に4番関口が中前打し2死三塁で7番桑原義四球で一、三塁。8番代打の野口が岡本投手の6球目スライダーを空振り三振したが三振と暴投が記録され代走の野中選手がボールが転々としている間に得点し2-1でサヨナラ勝利。八馬2軍マネジャーは「今は追う立場なので選手達も頑張っている。応援してくれるファンに良い試合を見せたい。ケガをしないように注意しています」とベンチからハッパをかけている名マネジャーだ。


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河野祥一郎「今週のイチ押し!」
河野祥一郎(こうの・しょういちろう)
 1940年(昭和15年)愛媛・今治市生まれ。59年愛媛県立西条高校卒。同校野球部では内野、外野を守り1番を打った。芝浦工大に進学し、大学2年から野球部マネジャーとなり、同校野球部の東都大学野球リーグ優勝や、明治神宮大会などで日本一のチーム作りに貢献する。
 63年の卒業と同時に、日本プロ野球機構コミッショナー参与で東大野球部監督だった神田順治氏の推薦により、セントラル・リーグ野球連盟の記録部に入社。66年から5年間、故鈴木竜二元セ・リーグ会長宅に下宿し、プロ野球について勉強。69年4月15日大洋対広島1回戦(川崎球場)で、公式記録員のスタートをきる。
 数々の名勝負、名場面の中でも、73年8月30日阪神対中日の延長11回ノーヒットノーラン試合、76年の巨人加藤初投手のノーヒットノーラン試合、94年巨人槙原寛巳投手の完全試合、97年のヤクルト石井一久投手の、98年の阪神川尻哲郎投手のノーヒットノーラン試合を担当した。
 そしてイースタン・リーグでも82年日本ハム芝投手や、99年巨人入来祐投手のノーヒットノーラン試合も見届けた。  日本シリーズ3度、オールスターにも5度参加し、71年のオールスター第1戦(西宮)で阪神江夏豊投手の9連続奪三振と、全セのノーヒットノーランを担当した。
 公式記録員38年間で1808試合を担当し、99年に退職した。
 著書に「スコア・ブックのつけ方」(86年)がある。

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