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2009年7月07日

湘南黒羽根、着々と成長

 「座りの良い捕手」と言う言葉を聞いた。投手から見れば目配り、気配り、思いやりの3点を身につけた捕手だ。横浜の4年目、黒羽根利規捕手(22)は責任感、知識を身につけて着々と成長している。

 今年の目標は捕手としてのレベルアップが課題。黒羽根は「今では1日中野球の事を考えています。今年は自分との戦いに勝ちたいという気持ちが多くなりました」と笑う。

 3月20日の開幕戦、日本ハム戦では7回2死一、二塁で代打出場し吉川投手の2球目ストレート(143キロ)を打って中飛。8回からマスクを被った。

 3月21日の日本ハム戦で「6番捕手」で先発出場。1回2死一、二塁で矢貫投手の6球目スライダー(129キロ)を右中間に2点適時打し、先発小杉投手を援護だ。5回1死にも矢貫投手の5球目ストレートを中前打し北川の右中間三塁打で好走塁を見せ逆転の生還。今季初安打、初得点、初打点に黒羽根は「今年は右方向に打つ事を意識している。これで今年も頑張ろうとベースの上で自分に言い聞かせた」と振り返る。

 3月27日楽天戦で「6番捕手」で先発出場し1回2死一、三塁で永井投手の2球目ストレート(142キロ)を右翼に今季1号3ラン。「2、3打席目の三振はいけないですよ。4打席目も2死三塁で永井投手からフォークを中前打したが粘りとしつこさが大切ですよ」と苦笑い。この日は4打数2安打、本塁打1、打点4(今季自己最多打点)。

 4月14日ロッテ戦で「8番捕手」で先発し2回2死一、二塁で阿部投手の4球目チェンジアップを同点の左前打、6回2死二塁で古谷投手から追い上げの打点、8回1死一、三塁で根本投手の3球目スライダーを逆転の足がかりとなる右前打でチームに活気を与えた。中根2軍打撃コーチは「ボールを見てバッティングが出来るようになった」と評価。

 4月26日の日本ハム戦で9回1死一塁で土屋投手の7球目ストレート(136キロ)を今季2号2ラン。5月4日巨人戦で木佐貫投手からストレートを左線二塁打、4回にはフォークを右前打、6回にはスライダーを中前打の今季初の3連打で1軍を狙える打撃を見せた。

 5月20日まで28試合、打率2割9分1厘、本塁打2、打点14で5月24日、待望の1軍登録。黒羽根は「両親に電話を入れたら喜んでくれた。勝利の手伝いをしてこいとハッパを掛けられた」と笑う。

 今季の1軍出場は5月30日オリックス戦だった。途中出場で8回に菊地原投手と対戦して遊ゴロ。黒羽根は「球の切れが良いと感じた。気持ちも落ち着いていた」と振り返る。2試合目は6月14日楽天戦で8回代打でグウィン投手と対戦し二ゴロ。1軍成績は2試合、2打数ノーヒット。守備面でも捕手を2試合、刺殺2、補殺1、失策0。

 6月15日再調整で1軍登録を抹消。黒羽根は「捕手として勉強が出来た。負けて悔しさも味わった。再度1軍に挑戦します」と捕手として社会人として成長した。

 再度イースタン・リーグの出場は6月16日巨人戦で「7番捕手」で先発出場し三ゴロ併殺、二飛、三ゴロ、三振と栂野、村田、会田各投手に抑えられ4打数ノーヒット。6月20日ロッテ戦で寺原投手をリードし3回に黒滝投手の初球を左中間二塁打、5回1死二、三塁で木村投手から6球目を中前打し打点1。5打数2安打、打点1で寺原投手の勝利に貢献だ。6月26日の日本ハム戦でも1、7回に左前打とバットコントロールの良さを見せた。7月3日再度1軍登録(捕手強化)に「頑張ってきます」と気分一新でスタートした。秋元2軍バッテリーコーチは「しっかりチャンスをつかめ。頑張ってくれる事を期待したい」と話した。
 7月6日現在、33試合、打率2割7分9厘、本塁打2、打点15、盗塁0、長打率3割8分5厘、出塁率3割5分3厘。守備面では捕手31試合、刺殺204、補殺18、失策2、捕逸3、守備率9割9分1厘。活躍が楽しみな若手だ。

 ◆黒羽根利規(くろはね・としき)1987年(昭62)6月2日生まれ。22歳。神奈川県出身。178センチ。80キロ。右投げ右打ち。05年、日大藤沢から高校生ドラフト3位入団。高校時代の通算打率3割2分以上、本塁打2本、打順7番。捕手としては強肩とディフェンス型の捕手と評価された。黒羽根をスカウトした中根2軍打撃コーチは「注目したのは強肩だった。高校時代の通算本塁打は2本だけだ。練習で成長した若手だ」と期待。井上2軍守備走塁コーチも「状況判断をしっかりしボールから目を離すな」とアドバイス。1軍で安打を打ちたい投手は「高校の先輩でもあるヤクルトの館山投手から中前打を打ちたい」。目標の選手は「古田捕手のインサイドワークが目標」と言う。好きな言葉は「初心忘れるべからず」。遠投は115メートル。本塁から一塁までの走力タイムは4・2秒。本塁から二塁までの送球タイムは2・1秒。ニックネームは「バネ」。好みのタイプは「明るい人で気配りの出来る人で笑顔のいい人ですが古いですかね」と笑う。1軍初出場08年5月25日オリックス戦。今年度1軍で2試合、2打数ノーヒット。守備では捕手2試合、刺殺2、補殺1、失策0、捕逸0、守備率10割。

 ○…日本ハムの3年目、今浪隆博内野手(25)は攻守に1軍レベルの動きを見せる。7月3日現在、53試合で36試合(68%に安打)に安打。1試合3安打が6度、6月に7試合連続安打し6月の14試合を打率3割8分、本塁打0、打点2で6月のMVPを初受賞。今年は「打撃のレベルアップが目標で本塁打よりも安打数でチームに貢献したい」と言う。12月に結婚して責任も重いですから1軍を目標に頑張っている。荒井2軍打撃コーチは「速球にもバットコントロールが良い。いつでも1軍に送り出せますので安心して下さい」と打撃レベルアップを評価。7月3日ロッテ戦(鎌ケ谷)で「2番二塁」で先発し5回2死に木村投手の2球目フォークボール(125キロ)を右前打し今季の安打数を60安打とした。この安打で今季初盗塁を狙ったが二盗失敗。今浪は「チームは負けて残念です。勝負強く粘り強く頑張ります」と前向きだ。7月3日現在、53試合、打率3割3厘、本塁打0、打点16、盗塁0、出塁率3割7分6厘とコンスタントな打撃が光る。

 ○…西武の3年目、期待の投手、木村文和投手(埼玉栄高、181センチ、86キロ、右投げ右打ち)は7月4日ヤクルト戦で今季11度目の先発登板。この日は最速150キロに変化球のチェンジアップを有効に使い左打者を抑えた。1回に2安打、1犠打で1失点を許したが5回迄は安打3、三振7、四球1とヤクルト打線を抑えた。ネット裏では「今季最長の投球回だ。制球力も良い。今季最高のピッチングだ」と評価する声が。この日は投球数121球、打者27、投球回7回1/3回、安打5、四球2、三振7、失点1、自責点1。7月6日現在、11試合、1勝8敗、打者270、投球回56回、安打64、四死球46、三振68、失点49、自責点45、防御率7・23。2勝目を飾る日も近い。

 ○…首位を走る湘南は投打とも好調だ。選手の顔が明るい。7月5日楽天戦で先発の藤江投手が7回を1安打、中継ぎの泰投手は1回を2三振、抑えの吉川投手は1回を1三振。3投手で楽天打線を1安打に抑える好投。藤江投手は2回先頭打者の4番高須に2球目チェンジアップ(130キロ)を左二塁打の1安打。この日は最速145キロだったがチェンジアップに楽天打線は苦しんだ。投球数73球、打者23、投球回7回、安打1、死球1、三振7の無失点で5勝目を飾った。打線も1回に関口選手が松崎投手から2号の先制3ラン。2回には野口選手が1号2ラン。3回には4安打、1四球で3得点。5回にも2四球、2安打で3得点で先発全員得点で藤江投手を援護だ。打線の中で目立ったのは体調を崩していた新人の松本選手(4月25日1軍登録抹消)が3番中堅手で先発出場し3回左前打、4回遊撃内野安打、5回左中間二塁打で今季4度目の3安打。この日は5回2死満塁で辛島投手の10球目ストレートを左中間に二塁打して走者一掃の3打点。高木2軍監督代行は「体力を作り1軍で活躍して欲しい若手だ。オールスター後には1軍で活躍して欲しい」と期待する。

 12-0で快勝した湘南は59試合、38勝21敗、勝率6割4分4厘で最近6試合を5勝1敗で貯金17とした。楽天はこの日で6連敗で松井2軍監督は「悪い時もある。選手を信じて頑張るだけだ」と暗い表情だが選手達の動きに気配りをみせていた。


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河野祥一郎「今週のイチ押し!」
河野祥一郎(こうの・しょういちろう)
 1940年(昭和15年)愛媛・今治市生まれ。59年愛媛県立西条高校卒。同校野球部では内野、外野を守り1番を打った。芝浦工大に進学し、大学2年から野球部マネジャーとなり、同校野球部の東都大学野球リーグ優勝や、明治神宮大会などで日本一のチーム作りに貢献する。
 63年の卒業と同時に、日本プロ野球機構コミッショナー参与で東大野球部監督だった神田順治氏の推薦により、セントラル・リーグ野球連盟の記録部に入社。66年から5年間、故鈴木竜二元セ・リーグ会長宅に下宿し、プロ野球について勉強。69年4月15日大洋対広島1回戦(川崎球場)で、公式記録員のスタートをきる。
 数々の名勝負、名場面の中でも、73年8月30日阪神対中日の延長11回ノーヒットノーラン試合、76年の巨人加藤初投手のノーヒットノーラン試合、94年巨人槙原寛巳投手の完全試合、97年のヤクルト石井一久投手の、98年の阪神川尻哲郎投手のノーヒットノーラン試合を担当した。
 そしてイースタン・リーグでも82年日本ハム芝投手や、99年巨人入来祐投手のノーヒットノーラン試合も見届けた。  日本シリーズ3度、オールスターにも5度参加し、71年のオールスター第1戦(西宮)で阪神江夏豊投手の9連続奪三振と、全セのノーヒットノーランを担当した。
 公式記録員38年間で1808試合を担当し、99年に退職した。
 著書に「スコア・ブックのつけ方」(86年)がある。

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