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2008年7月08日

ヤクルト中尾にいぶし銀の予感

 「出来ると信じて自信を持つ事だ」。オープン戦でのケガでスタートが遅れたヤクルトの新人、中尾敏浩外野手(25)は元気いっぱいだ。

 07年大学・社会人ドラフト5巡目で入団。PL学園時代の通算は打率3割5分以上、本塁打15、打順は3番で二塁手。青学大時代の通算打率は3割以上、本塁打15、打順は3番で外野手。社会人時代のJR東日本でも1年目から3番を打ち打率2割8分以上、本塁打14とアベレージヒッターからパワーヒッターに転換した事を印象づけた。

 キャンプから1軍出場へアピールした。2月19日韓国SK戦(浦添)では「7番右翼」で先発出場し4打数3安打3打点で高田新監督にアピール。中尾は「社会人出身で年齢的にもアピールしないといけない時にオープン戦の2月に「右足を故障して昨年12月に結婚した妻に心配をかけた」と振り返る。イースタン・リーグの開幕から23試合を欠場。中尾は「ケガに強くなろうと連日筋力アップで汗を流した。自分との戦いで打撃面をいろいろと考えました」と言う。

 5月9日ロッテ戦で「5番左翼」で先発出場。1回2死一、二塁の場面の初打席は久保と対戦し4球目を打って一邪飛で初打席を飾れなかった。2打席目は久保の146キロのストレートを打って一直、3打席目も久保の2球目を打って三邪飛で交代。中尾は「試合に出場した時は嬉しかった。プロは中身の濃い練習をするのでチャンスを大切にして頑張りたい」と前向きだ。

 5月16日楽天戦の5回、カウント2-3でインチェから中前打の初安打。

 6月7日西武戦の5回平野から左前打で打点1、7回にも平野から右前打と初の2安打。

 6月17日楽天戦では今季5度目の「1番右翼」で4回に牧野の3球目フォークを右翼ネットに当たる好打者らしい打撃で初ホーマー。8回小倉の4球目を中前打、10回石川から4球目を右前打と初の3安打1本塁打。中尾は「4回の先制ホーマーで気持ちが楽になった。チームの勝利に貢献したい」と初本塁打にニッコリ。猿渡2軍監督は「野球センスがある。出場する機会も多くなるだろう。7月1日のチャレンジマッチ戦でも6回に山本淳(西武)から打った瞬間に本塁打と分かる同点ソロはセンスの良さを見せた。楽しみだ」と期待する。ネット裏の評価も良い。「脚力もあり守備範囲も広い。安定感がある守備と対応の良い打撃面は面白い」との声がある。

 7月4日ロッテ戦では「7番右翼」で先発出場して3打席目、下敷領のスライダーを右翼フェンスに当たる二塁打。4打席目根元のスライダーを中前打、5打席目神田の129キロのスライダーを二塁内野安打し今季2度目の3安打。練習では目立たないが試合になると目立つ。勝負強い打者だ。広島小窪に似たタイプだけに「いぶし銀」の雰囲気を感じる。

 7月5日現在、21試合、打率2割5分、本塁打1、打点5、盗塁0、四死球7、三振14、出塁率3割7分2厘、守備面では外野手21試合、失策0(守備機会30)。背番号56に注目したい。

 ◆中尾敏浩(なかお・としひろ)1982年(昭57)11月12日生まれ。25歳。福岡県出身。PL学園-青学大-JR東日本。178センチ。76キロ。右投げ左打ち。07年大学・社会人ドラフト5巡目入団。好きな言葉は「平常心」。目標の選手は「今は自分との戦いですから、自信を持って自分に勝つ事です」と言う。遠投105メートル。50メートル6・1秒。本塁から一塁までの走力タイムは4・1秒。昨年12月幸子夫人と結婚。高校2、3年甲子園出場し二塁手。大学時代は4年春に首位打者。社会人時代は06年インターコンチ杯に日本代表として出場。1軍へ出場した時は「やはり両親、父(政一さん)と母(直子さん)や家族を球場に呼び良い所を見せたい」と笑う。高校、大学を通じて思い出に残る試合は「高校3年生の時で特に3年の甲子園出場の試合ですね」と話した。「積極的なバッティングで変化球の対応も良く左右に幅広く打てる。スイングもコンパクトなスイングが出来る。大学。社会人時代の欠点も改善された。非凡なミートセンスと高い野球センスを評価したい」とはネット裏の声だ。ニックネームは「トシ」。血液型B。背番号56は1軍を目標に体調万全だ。

 ○…湘南の注目の新人、阿斗里投手(太田阿斗里)は7月1日巨人戦で今季8度目の登板でプロ入り初勝利を狙ったが、プロの水は辛かった。1番脇谷に第1球を144キロのストレートでスタートしたが4回に乱れた。先頭の4番李に4球目144キロのストレートをバックスクリーン右に先制4号ソロを許し2死満塁として1番脇谷の5球目にこの日最速の149キロを出したが8球目を右前打され2失点、2番隠善四球でなお2死満塁。3番二岡に2球目ストレートを中前打され2失点。打者1巡して李四球でまたも満塁として5番田中に3球目ストレートを右二塁打され2失点を許し走者を残して降板。3回までは安打2、投球数40球で見事なピッチングだったが4回は力が入って制球が乱れた。二岡、李を意識しすぎたか。この日は投球数89、打者23、投球回3回2/3、安打8(本塁打1)、四球5、三振2、失点7、自責点7と不本意なピッチング。阿斗里は「良い勉強でした。フレッシュオールスターにも選出されたので次はリベンジします。今日は反省で寝れないかな…」と悲壮。

 ○…初のフレッシュオールスターに選出された西武の2年目、大崎雄太郎外野手(23)は7月2日楽天戦で2回に2死二塁で川井の3球目を右中間二塁打で先制打点。1-1の同点の8回、先頭打者で牧野の初球ストレートを「技あり」の中越え三塁打で逆転のお膳立てをした。2死後1番赤田が左打席(左右打ち)で牧野の3球目を逆転の右中間二塁打で辛勝。勝利に貢献した大崎は「体調も良くバットが良く振れる。フレッシュオールスターでもアピール出来るよう頑張ります」と明るい表情。片平2軍監督は「勝負強くなった。3拍子揃っているだけに頑張ってほしい若手だ」と期待する。

 ○…楽天の首脳陣が期待する新人、伊志嶺忠捕手(北谷-東京情報大、178センチ、78キロ、右投げ左打ち、07年大学、社会人ドラフト3巡目、23歳)は7月に入って新人ながら打順3番に座った。7月1日西武戦の3連戦は13打数3安打、本塁打0、打点0、打率2割3分1厘と不本意だ。7月3日西武戦で6回2死二塁の同点場面で山岸の初球を狙ったが左飛。チャンスを逃した伊志嶺は「ピンチにもチャンスにも働ける選手になりたい。フレッシュオールスターに選出されて嬉しい。いろいろな投手の球を受けたい。勉強する目標をしっかり頭に入れて頑張ります。沖縄のファンのためにもアピールします」と研究熱心だ。松井2軍監督は「打撃面は良い。捕手はグラウンドの監督だから野球を勉強する事だ。センスもある。フレッシュオールスターでは勉強をしてきてほしい。期待が出来る新人だ。注目してほしい」と期待する。本塁から二塁までの送力タイム1・90秒。

 ○…日本ハムの途中入団の外国人選手の助っ人、ジェイソン・ボッツ内野手(27)は1軍出場近しを思わせる打撃を見せた。7月1日ロッテ戦では9回裏に逆転サヨナラ2ランを右翼席に来日1号(左打ち)。198センチ、113キロ、右投げ左右打ちの大型選手だ。7月5日楽天戦で「4番一塁」で先発出場。2回の第1打席を右中間二塁打(インチェ投手)、2打席目は空振り三振。5回の3打席目インチェの2球目を右打ちでバックスクリーンにライナーで入る2号ソロ、7回の4打席目は左打ちで林の3球目を右翼席ネット中段(推定130メートル)に当たる3号ソロ。この日は4打数3安打2本塁打2打点と助っ人ぶりを見事に発揮。荒井2軍打撃コーチは「パワーは凄い。1軍で活躍するといいネ」と助っ人パワーに感心だ。

 ○…湘南の3年目、内藤雄太外野手(24)は7月6日西武戦で「5番中堅」で先発出場し、4回2死満塁で木村の147キロのストレートをバックスクリーンに入る4号満塁弾を放ちチームの勝利に貢献した。内藤は「満塁本塁打はプロ入り初の体験です。チームの勝利に貢献できて嬉しいです。これからも暑さに強い所を見せます」と明るい表情だった。


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河野祥一郎「今週のイチ押し!」
河野祥一郎(こうの・しょういちろう)
 1940年(昭和15年)愛媛・今治市生まれ。59年愛媛県立西条高校卒。同校野球部では内野、外野を守り1番を打った。芝浦工大に進学し、大学2年から野球部マネジャーとなり、同校野球部の東都大学野球リーグ優勝や、明治神宮大会などで日本一のチーム作りに貢献する。
 63年の卒業と同時に、日本プロ野球機構コミッショナー参与で東大野球部監督だった神田順治氏の推薦により、セントラル・リーグ野球連盟の記録部に入社。66年から5年間、故鈴木竜二元セ・リーグ会長宅に下宿し、プロ野球について勉強。69年4月15日大洋対広島1回戦(川崎球場)で、公式記録員のスタートをきる。
 数々の名勝負、名場面の中でも、73年8月30日阪神対中日の延長11回ノーヒットノーラン試合、76年の巨人加藤初投手のノーヒットノーラン試合、94年巨人槙原寛巳投手の完全試合、97年のヤクルト石井一久投手の、98年の阪神川尻哲郎投手のノーヒットノーラン試合を担当した。
 そしてイースタン・リーグでも82年日本ハム芝投手や、99年巨人入来祐投手のノーヒットノーラン試合も見届けた。  日本シリーズ3度、オールスターにも5度参加し、71年のオールスター第1戦(西宮)で阪神江夏豊投手の9連続奪三振と、全セのノーヒットノーランを担当した。
 公式記録員38年間で1808試合を担当し、99年に退職した。
 著書に「スコア・ブックのつけ方」(86年)がある。

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