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清原 PL学園特集

PL学園 復刻ニュース

1985年08月20日

清原、史上最大140メートル弾!

<全国高校野球選手権:PL学園6-3高知商>◇1985年8月19日◇準々決勝
 清原、すっげぇっ、史上最大の140メートル弾。いよいよ大詰めを迎えた大会は準々決勝4試合を行い、ベスト4が出そろった。中でもすごかったのはPL学園の勝ちっぷり。注目された高知商・中山裕との対決だったが、逆転に成功した5回、怪物清原が観客の度肝を抜く超特大の通算9号(大会記録更新)を左翼中段へぶち込み、さらに桑田も右翼へアベックアーチでとどめを刺した。東海大甲府は3点をリードされた9回、一挙4点を奪う奇跡の逆転勝ち。宇部商、甲西とともに4強入りした。今日20日は宇部商-東海大甲府、甲西-PL学園で準決勝が行われる。

 ガキューン! すさまじい金属音。その瞬間、マンモススタンドは、異常な静けさ。高知商の中山昌左翼手はほとんど動けない。冷静でなるPL学園・中村監督もポカーンと口をあけたまま魅入られたように打球を見つめた。ぐんぐん伸びる白球の行方をだれもが追い、その飛距離にぶったまげた。
 清原は打球を見なかった。振りぬいた930グラムの愛用バットを無造作に投げ捨て、自信タップリと一塁ベースへ向かう。「高校生活で今日のが一番です。一番手ごたえがあったんです」その打球は、強烈な加速度をつけ3メートルの逆風を突いて左翼席中段に突き刺さった。140メートルの巨大アーチだ。まだ清原の目は打球を追わない。落下地点も知らないまま、一塁ベースを過ぎると右手を突き上げ、歓喜のガッツポーズだ。「僕は見てません」。何という自信か。ホームランの打球を確認しないとは恐れ入るばかりだ。
 PL学園の2点リードで迎えた5回裏、剛球投手中山裕-清原対決の5球目だった。この試合最高、ただ一球の146キロ速球との激突がとてつもない巨大アーチを生んでいた。「全力でほうった球です。ちょっと高かったかもしれんが…。完敗です」。中山裕が首をうなだれて言った。
 もっともこの一発、清原にしても開き直りがもたらしたものだった。この日の試合まで11打席一発が出ていない。合宿を訪れた母親・弘子さん(46)にはこんなことまで言われた。「もう(ホームラン)は期待してへんからね。明日も気にせず、思い切ってやってきィ」。清原にはこの一言がこたえた。部屋に戻っても落ち着きがない。同室の黒木とこんなやりとりをしたものだ。
 「打てへんなあ。1本出てくれたらええんやけどなあ」と清原。黒木は「大丈夫や。明日あたり打てるで」と、何の確信もないままこう励ますしかなかった。清原は、愛用の930グラムのバットを抱え眠りについていた。
 この日、清原はそのバットではなく、910グラムのバットを持ち出し初打席に入った。四球、2打席目は、三ゴロ。「球が速いんで、負けやんようにと軽めにしたんです。それでもあかんし、また戻しました」。一発をあきらめたのか、バットは3打席目、前夜抱いて寝たものに換えた。初球139キロの速球。「速過ぎて手が出んかった。もう開き直って、真っすぐだけ打とう、と思うたんです」。そんな気持ちが甲子園9号の、通算58号。過去に例を見ない3連続の甲子園アーチを生んでいた。
 開き直りは、桑田も同じだった。2回表、相手投手中山裕に中越え金網直撃の二塁打を浴び、直後に川村に2ランを許す、苦しい立ち上がり。清原がこう声をかけた。「打たしたれ、何点でもやれ、やれ!」。桑田が励まされたこの威勢のいい声は、逆に清原自身にも開き直りを生んだのだ。「先行されて、抑えようの気持ちがなくなったんです。あれまで審判のクセもつかめず緊張したけど楽になりました」。以後立ち直り、無四球、9安打3失点の完投で戦後の甲子園通算新の18勝を挙げた。その桑田は同じ5回裏1死後、流し打ちのソロ・ホーマー。KKコンビ同一イニング初のアベックホーマーだ。「投手返しだけを心がけチョコンとバットだしただけ。アウトではようベンチへ戻りたかったのに…」とニッコリだ。
 こんな二人に、居残りスカウトは、知っていながらまたまた驚き顔だ。巨人・伊藤菊スカウトは、「あんな大きいのは見たことない。長島元監督が全盛時代の20年前、左中間へ大きいのを打ったけどあれ以上。開き直り? ウーン、インパクトの時の集中力やろねえ。桑田君もうまい打ち方した。楽に打ってあれだけ飛ぶんやからどっちもどっちです」。
 こんな二人の力で、大阪代表として全国トップの甲子園100勝。開き直って実力を見せつけた二人は、悲願へあと2勝と迫った。【米谷】
(1985年8月20日付日刊スポーツ)


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