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清原 PL学園特集

PL学園 復刻ニュース

1983年08月20日

PL4強、1年清原3長打3打点

<全国高校野球選手権:PL学園10-9高知商>◇1983年8月19日◇準々決勝
 ホオをつねってみた。「痛い!」夢ならさめてくれ。桑田はベンチのスミで胸のお守りをなでながらそう祈った。

 ベスト4出場。夢の池田対決は目の前に迫っていた。3回までに9長短打を浴びせる猛攻で津野を攻略。誰もが大楽勝と信じていた。が、桑田は明日のことを思えば思うほど胸が締めつけられた。
 中村監督が不審そうに首をかしげる。「どうした? カーブが多すぎるじゃないか」「すいません、ストレートが走らないもんですから」。だれもいないベンチに1人座った。頭がボーッとする。「どうしたんだその手は?」住田が驚いて桑田の右手をとった。人さし指と中指の付け根が赤く張れている。ベンチの奥に2人しかいない。住田は何も聞かず痛み止めの0スプレーを患部にふきつけてやった。
 アクシデントは初回に起こっていた。右腕をふりかぶった瞬間、マウンドに右手をぶつけた。痛みは激しくない、しかし回を追うごとに握力がなくなっていた。5回にはもう限度を越えていた。屈辱的な6長短打集中、話題の1年生エースが火ダルマになった。が、桑田は打たれたことよりケガのことが恥ずかしかった。
 KOされた桑田を救ったのはもう1人の1年生清原だった。すでに二塁打2本を放っているジャンボは6回高知商の追撃を振り払うような左中間三塁打。10-9の打撃戦は先輩藤本で逃げ切った。
 「あすは池田。あの水野さんと勝負できるなんて夢のよう。打ちまくるだけですヨ」。3長打3打点をたたき出した清原は何とも鼻息が荒い。主将・朝山も「拾って拾って守り抜けば道は開ける」と力こぶを作ってみせた。が、桑田は右手をタオルで押さえうつ向いたまま唇をかんだ。「もう何ともありません」と力を込めたが、ひとみが不安げに揺れていた。【川崎】
(1983年8月20日付日刊スポーツ)


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