清原 西武ライオンズ特集
西武ライオンズ 復刻ニュース
1995年08月08日
清原「FA移籍なら巨人」と明言
西武清原和博内野手(27)がついに沈黙を破った。来月7日にFA(フリーエージェント)資格を取得する同選手は7日、「FAで移籍する場合は巨人しか考えていない」と、明言した。西武は5億円の説得資金を用意して直接慰留交渉するが、条件面で折り合いがつかなければFA宣言しての巨人移籍は確実となった。
清原の口から衝撃的な言葉が飛び出した。昨年オフからFAの動向については「何も考えてない」と繰り返し沈黙を守ってきたが、「FAで移籍する場合は巨人1球団しか考えてない」と初めて口にした。
昨年オフの契約更改交渉の席上、西武は清原のFA資格取得をにらんで拘束力のある3年の複数年契約を打診した。ところが清原は「一年、一年が勝負の世界。複数年契約だと自分自身に甘えが出るからね。年俸に見合った働きをするだけ」と拒否。単年契約を交わしてFA移籍の可能性を残していた。
FA移籍の可能性を残したことで周囲は巨人か阪神へ移籍かと騒いだが、清原は沈黙を守った。ところがFA資格取得まであと30日、方向性を出さないわけにはいかない。仮にFA宣言となれば阪神、中日など各球団の争奪戦が予想される中で、清原はFA移籍の場合は巨人一本を明確に打ち出したのだ。
10年前のドラフトで巨人は当時の王監督が清原指名の方針を明らかにしていたが、1位指名したのはPL学園(大阪)時代の同僚・桑田だった。巨人を熱望した清原は完全にソデにされた格好だった。それでも、巨人へのあこがれは捨て切れない。1987年(昭62)の日本シリーズで巨人に勝って日本一を達成した際には守っている一塁で涙を流したが、「巨人復讐(ふくしゅう)」の思いはあの試合で消えている。
中日から巨人にFA移籍した師と仰ぐ落合の存在も大きい。昨年オフのテレビ番組では落合から「巨人に来い。日本の4番を松井と争え」とラブコールも送られた。清原自身も落合の後継者として球界を背負う主砲としての自覚がある。
セ・リーグの狭い球場も清原には魅力だ。今年の球宴は横浜スタジアム、広島市民球場で開催。清原は「ナゴヤ、広島、神宮球場ならば、確実に今よりも10本は多く本塁打を打てる」と豪語した。プロ10年目となるが、環境が変われば今以上の躍進も期待できる。「セの投手と戦うと新鮮な気持ちで集中力が出る」と現に球宴第2戦では、巨人が苦手とする広島チェコの149キロの速球を簡単に左翼スタンドへ運んでもいる。
だが、清原といえば堤義明オーナー(61)の秘蔵っ子。オーナー指令で清原のFA移籍阻止に動くのは必至の情勢だ。球団は現年俸の倍額となる5億円を用意。今年本塁打のタイトルを獲得すれば、さらに1億円アップも十分考えられる。昨年オフには浦田スカウト部長を清原、佐々木のFA防止策として球団本部長に据えた。毎回、遠征に帯同して「お目付け役」として目を光らせている。
金額の条件面にプラスして将来の監督候補としての“生涯雇用”の奥の手も出して誠意を見せる構えだ。清原は「今まで球団にはお世話になった。簡単に手をあげて出ていくわけにはいかない」と語っているが、心の中は「西武に残るか、FAで巨人移籍」で揺れ動いている。今季オフは清原と巨人の動きからは目が離せそうにない。
(1995年8月8日付日刊スポーツ)
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