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清原 西武ライオンズ特集

西武ライオンズ 復刻ニュース

1987年11月02日

清原号泣、巨人倒して日本一

<日本シリーズ:西武3-1巨人>◇第6戦◇1987年11月1日◇西武
 西武が巨人を4勝2敗で破り、2年連続4度目の日本一に輝いた。清原は宿敵巨人を倒し号泣した。
 清原は泣いていた。9回表、最後の守り。吉村の遊ゴロをさばいた清家からの送球を受けた清原の号泣する姿を見て、二塁から先輩の辻がビックリしてスッ飛んできた。

 「オイ、しっかり目をあけんかい!」。辻に両肩をたたかれてハッパをかけられても、あふれ出る涙を止めることができなかった。その姿に胸を打たれた伊東、秋山がもらい泣きした。ベンチではクールでなる東尾までが涙を流した。清原は涙でかすんだ目で、ウイニングボールを秋山がキャッチするのを見届けると、「ウオー」とおえつをもらしながらマウンド上の歓喜の胴上げに加わっていた。
 「自然にこみあげてきたんです。9回表、最後の守りについた時、足がガタガタ震えてきて、涙が出てきました」。昨年の日本シリーズ、19歳の4番として出場し、広島を破って日本一を達成した時も涙は出なかった。
 しかし、今年は泣いた。プロのユニホームを着てから流す初めての感涙。涙の理由はただ一つ。巨人を破ったからだ。「巨人を倒すことが、僕がプロに入った一つの目標でしたから。それを達成できて、すごくうれしい!」。試合後の共同記者会見で、ちょっぴり赤く、まだ潤んだ目で悲願達成に喜びをあらわにした。
 「巨人を倒すんや!」。60年11月20日ドラフトで指名確実といわれた巨人が自分を指名せず、よりによってPL学園の同僚の桑田を指名。悔し涙にくれた。そして西武に入団。「王さんに”あの時(ドラフトで)清原をとっておけばよかった”と言わせたい」。その一念が清原の支えだった。そのドラフトから712日目の清原の夢がかなったわけだ。
 10月10日にリーグ優勝が決まってからというもの、会う人ごとに「巨人をたたきつぶしたる」と言って回った。シリーズでは第3戦を除く全試合にヒット。初戦では桑田から左前ヒットも打った。第2戦では広田からダメ押しの3ラン。第4戦では6回裏に原、篠塚がホームランを打ち、後楽園を埋めたG党が大歓声を上げたが、ただ一人、大騒ぎするライトスタンドをにらみつけていたのは清原だった。そして3勝2敗で迎えたこの日の第6戦。2回、高校時代から通算6打席6三振の水野から三遊間ヒット。安部のバントで二進した後、ブコビッチの中飛で一気に先制のホームイン。巨人守備陣の中継ミスあったが執念の激走だった。
 試合後も両目に涙をあふれさせながら大はしゃぎした。記念撮影が終わるとナインは一斉にスタンドへ向かってブルーの帽子を投げ込んだが、それが、ネットに阻まれて届かない。するとどうだ。清原がダッグアウトの屋根によじ登り、帽子を拾い上げてスタンドに投げ込む大サービス。インタビューでも「今、一番したいことは?」と聞かれると「早く家に帰ってお墓参りがしたいです」と意味不明のジョークを飛ばし、報道陣を爆笑の渦に巻き込んでいた。
 桑田はライバル清原のはしゃぎぶりを、そして西武森監督の胴上げをジッとベンチで見つめていた。悔しいけれど、見届けなくてはならない。来期の雪辱のために悔しいシーンを目に焼きつけた。そして西武の表彰選手に拍手を送った。「勉強になりました」。工藤のインタビューを見ながら桑田はポツリ。第1戦と第5戦に先発したが連続KO。この日も一度、ブルペンで肩をつくりラストチャンスを待ったが、そのまま終わった。
 清原とのKK対決は3度。2打数1安打1四球と引き分け。清原は「桑田との対決はいろいろ騒がれたけど僕は9分の1としか思っていなかった。こんなもんだったかなって感じです」と話した。一方の桑田は「キヨは泣いていたんですか。2年連続で優勝するなんて、やっぱりアイツと西武はすごいね」。桑田は10日すぎからの宮崎秋季キャンプに参加する。悔しい思いを胸に「来年こそは…」と雪辱を誓ってバスに乗り込んだ。【福田豊】
(1987年11月2日付日刊スポーツ)


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