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清原 西武ライオンズ特集

西武ライオンズ 復刻ニュース

1986年04月06日

清原、涙のプロ1号「夢みたい」

<西武2-4南海>◇1986年4月5日◇西武
 やったぞキヨマー、感涙の1号だ。西武清原和博内野手(18)は5日、デビュー戦となった対南海2回戦の9回裏、藤本修からプロ初安打を本塁井田でで飾る離れ業をやってのけた。8メートルの逆風もものかは、左中間芝生席へ豪快120メートル弾。途中から出場し、7回四球に続く第2打席の初アーチは、前日(4日)開幕先発を逸して落ち込みかけたビッグルーキーが意地で打った一発でもあった。

 「やった!」とばかり一塁ベースを回った清原は、右手を思わず天に突きあげた。体中に喜びが駆け巡る。二塁と三塁の間で、今度は両手を広げて大きくジャンプした。試合前まで憂うつそうだったその顔も、喜びでクシャクシャに。ベンチ前ではスタンドに向かってバンザイまでした。
 試合後、報道陣にどっと取り囲まれる。両目は真っ赤に充血し、うっすらと涙がにじんでいた。「夢みたいです。もう当分打てへんか、と思うてたし……、ホンマにうれしい、あまりにうれしくて。高校の時より速くダイヤモンドを一周してもうた」。その声も興奮でかすかに震えていた。
 持って生まれた運の強さだ。公式戦に初出場した試合でノー文句のプロ初アーチ。前夜(4日)の開幕戦でスタメン落ち。この日も0-4とリードされた6回の守りから登場した。7回の第1打席、四球に終わったとき、スタンドのファンが、ゾロゾロと家路につく。だが9回2死無走者から、この一発ドラマが生まれたのだ。
 公式戦7球目である藤本修の初球、内角のストレート。「多分、気を抜いて甘い球が来ると読んどった。ええ、初球からでもねろうとりました」。並の新人ではない。この冷静な読み。打球は、右から左にへ吹く風8メートルもの強風にも失速せず、左中間120メートルの芝生席に飛び込んで行った。
 一塁側ベンチには、「出たぞ!」の絶叫が渦巻く。スタンドでは、紙テープが乱れ飛ぶ。だれもが期待した大物ルーキーがやっと見せた本領だ。
 それは日の当たるところだけを歩いてきた若者が、プロの厚い壁と必死に戦った結果でもあった。オープン戦では本塁打ゼロの上に三振王とちょう笑された。悩みに悩んで体重は5キロも落ちたし、「ファンの前で笑顔を見せるのがつらい」毎日が続いた。
 キャンプまでは温かい激励ばかりだったファンレターも、「フォームが崩れている」「素振りの回数が足りないからだ」などと手厳しいものばかりに変わった。そこまでいわれる自分に腹が立った。イライラが募って破り捨てたこともある。「今考えれば、申し訳なかった。ただ、ふがいない自分が情けなくて…」。
 そんな中で、「いつかは打ってやる」と、土井打撃コーチとマンツーマンで連日打ち込み、夜は素振りと一日800スイングの猛練習。お陰で左手には痛みが走り、テーピングするほどだった。
 この日打ったバットも「少しヘッドを利かせ遠くへ飛ばしたい」と86.5センチから87センチ(940グラム)と長くし、前日届いたばかりのものだった。その日、20年ぶりの高校生新人の開幕先発を逸し、途中出場の機会すらなく、使えずじまいでちょっぴり落ち込みかけた。それでも、気分転換のうまさが清原の最大の長所。「勝つためには、片平さんが出ても当然」と考えて、10時間熟睡し、この日はスッキリと球場入りした。
 開幕2連勝ならずで失望しかけたファンにも、土壇場で最高のプレゼントをしたことになる。森監督も「2打席目で初ホーマーとは、やはりすごいものを持っている。明日以降のスタメン? 片平も調子がいいし、清原の勢いも大事にしたいんです」。今日6日の南海の先発は、右の本格派山内和のため、片平のスタメン出場が濃厚だが、森監督もうれしい悩みを抱えることになった。 28年前のこの日、金田正一氏から4三振デビューした背番号3の大先輩長島茂雄氏をはるかに上回る初陣。それでも清原はけっして浮かれていない。「今日には出会い頭かもしれませんし、まだ先は長いでしょ。徐々に慣れていきたいですね」。18歳の少年は、しっかりと自分を見つめていた。【岩間】

<打たれた南海藤本修投手>
 まさか、あの当たりが入るとはネ…。飛んだ瞬間は逆風なので、ただのレフトフライだと思っていた。球種? そんなん勝ったからいいじゃないですか。イヤー、あんなもの余興ですよ、お祭りですわ。でも、(第1打席の四球)手を出してくるはずのボール球でもキッチリと見送っていた。ルーキーとは思えないね。
(1986年4月6日付日刊スポーツ)


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