日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの野球ページです。



ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画特集


2010年9月23日

吉見、チェンに続け

~中日・伊藤準規投手~

 投手陣を中心にした守りのチーム。防御率は12球団ダントツの3・27(9月21日現在)。セ・リーグのペナントレース、目下首位を行く中日ドラゴンズ。吉見、チェンを軸にした先発投手。浅尾、岩瀬のセットアッパーとクローザー。実に安定している。不思議なものだ。好投手がそろっているチームには、必ずといっていい、次代を担う若い投手が育ってくる。生きのいい、若者らしいピッチングに見とれた。昨年のドラフト2位。岐阜城北から中日入りした伊藤準規投手(19)である。右投げ、左打ち。体にも恵まれ、身長186センチ、体重72キロはピッチャータイプ。

 マウンド上、キビキビしている。投げるのが楽しくて仕方ないといった感じだ。実に生きがいい。高校を出て2年目。まだ体の線はちょっと細い。大人の体になりきっていない感じだが、それでもストレートのマックスは146~148ぐらいは出るという。カーブの落差は大きい。ストレートとの球速の差がかなりある。バッターはタイミングがとりにくい。この日は、ウエスタン・リーグで優勝争いをしている阪神打線が相手。8回3分の2、完投目前で金剛にバトンタッチはしたが、被安打は5。奪三振5。与四球は敬遠の1つだけ。3回から6回までの連続4イニングを含め、計6イニングを3者凡退で退けた。投球数は136。失点1で自責は0。伊藤は「満足している」と、納得のピッチング内容だった。

 中日に、こんなに若くて将来有望な投手がまだいるとは知らなかった。投手陣はさらに充実しそうな気配だが、ただ、私が勉強不足だっただけで、今季の伊藤。すでにプロ入り初勝利を挙げ1軍デビューをしている。ところが、道程は平たんではなかった。4月の半ばごろだった。右ひじに違和感を抱いた。無理はできない。戦列を離脱するしかなかった。治療に専念するも、なかなか回復してくれない。自分自身にいら立ちを感じる。不安が募る日々が続いた。気持ちは手に取るようによくわかる。投手という動物。ピッチャーでありながら、投げられないほど辛いことはない。経験した者でないと理解できないだろうが、実に苦しいものだ。「確かに苦しかったです。でも、もう大丈夫です。違和感も、痛みも、怖さもありません」とニッコリ。本当に不安は無くなったようだ。伊藤投手、端正なマスクをしている。笑顔は実に男前だ。

 小林ピッチングコーチも太鼓判を押した。「もう大丈夫ですね。一時、かなり悩んだ時期はありましたが、今日のピッチングを見ていますと、球威も戻ってきました。シーズン当初のいい時は146~148キロぐらいの球速は出ていましたが、それに近い球を投げていましたね。今回はちょっと間隔を開けました、もう再発する状態ではないと思います。ストレート、カーブ、スライダー、フォークを投げますが、飲み込み早いし、ピッチングの組み立てもできます。楽しみなピッチャーですね。おそらく、吉見、チェンのあとを次いでくれるでしょう」と-。

 試合後の伊藤を見ていると、外野でジョギングを始めた。ライトのポールからセンターまで何度もした。最後に芝生の上で柔軟体操で体をほぐし、ベンチに引き揚げてきたのは最後。体のケアもばっちり。取材をお願いすると、立ち止まって、はっきりと丁寧に答えてくれた。「今日はストレートが、内、外角ともコントロールできましたので満足しています。変化球はちょっと甘い球がありましたが、前回が83球ですが、今回は136球投げられたことがうれしいですね。やはり、故障がはっきりしないまま今年が終わるのと、回復して終わるのでは、気持ちの上で全然違いますから。本当、不安を解消できたのはうれしいです」。デビューしたとはいえ、まだ確固たる実績があるわけではない。不安があっては前へ進めないが、苦しいことばかりが続くものではない。努力はうそをつかない。必ず道は開ける。来季、一軍のローテーション入りを期待したい。


この記事には全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは

ウエスタン一番星
本間勝(ほんま・まさる)
 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
 現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
 退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
 現阪神タイガースOB会副会長。

最近のエントリー




野球ニュースランキング




日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 野球
  3. コラム
  4. ウエスタン一番星

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/STATS LLC

ここからフッターナビゲーションです