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2010年9月02日

課題はストレート

~阪神・野原将志内野手~

 チームにとっては喜ばしいことだ。約1週間ほど前の出来事である。
 阪神・坂井信也オーナーが鳴尾浜球場に姿を見せた。本業を抱えている。忙しいはずだが、その合間を縫っての観戦。故障で戦列を離れていた能見の登板日だった。
 復調ぶりが気になっての来場だろうが、野球に興味を持っているからの行動に違いない。OBの私としては黙っておくわけにはいかない。来賓質へあいさつに出向き、「今日はひょっとしたら、昼と夜のダブルヘッダーですか」と声をかけると、「たぶん、そうなると思います」と笑っておられた。
 この日は京セラドームでナイトゲームがある。相手は1、2軍とも広島だったが、運の悪いことに昼夜ともに負け試合。さぞや、お疲れになったことでしょう。

 そういえば、昨年も甲子園球場で行われた同リーグの試合でオーナーの姿を見たことがある。現場としては、オーナーが野球に興味を持っているのは、それだけ理解があるということで、やりがいはあるし、ありがたい。
 オーナーは野球好き。合宿所とグラウンドは同じ敷地内にある。恵まれた環境。タイガースが今、1、2軍とも優勝争いをしているのが分かる。素晴らしい環境の中で励む若手の成長に目を向けてみた。

 ファームの中で、最も出場試合数(ウエスタン)の多いのが、今季4年目の野原将志内野手(22)である。期待のあらわれだろう。83試合に出場、270打数77安打。打率2割8分5厘。4ホーマーで32打点(9月2日現在)。突出した成績ではないが、及第点はつけられる。今シーズンの野原は、キャンプは終始、1軍で過ごした。オープン戦も前半は帯同していた。大きく飛躍するチャンスをつかめる位置にいた。
 1軍昇格。注目していたが、それがいまだお呼びがない。逆にウエスタン・リーグの開幕当初は、1軍のキャンプを経験した選手とは思えない最悪の状態だった。

 最近になって、やっと調子は上向いてきた。復調してきたのは、現在の成績になってあらわれているが、いまひとつアピールするものがない。ひと皮むけて欲しいが、その域に達していない。今回は首脳陣の評価を主にした野原を取り上げてみた。

 はじめに、平田監督に現状を語ってもらった。「野原の場合、半速球はうまく打ちますが、速い球に対応できない。相手投手がストレート主体のピッチングをしているのが分かっていて、そのストレートを狙って打ちにいくんですが、なかなか前に飛ばない。それで今度は、ストレートを意識しすぎると、いままで打っていた半速球まで打てなくなってしまうんですよ。これが現状ですが、この点をどう克服していくかが、これからの課題ですね。彼の場合、競争相手が新井ですよ。中途半端では追い抜けません」だった。なるほど、これが現実である。

 八木バッティングコーチの野原評も同じだった。「ストレートをどう打つかですね。速い球は体幹といいますか、その球に体が反応しないと打てないんですよ。体の切れです。野原の場合、変化球を打つことに関しては、アドバイスはいりません。放っといても打ちます。バッティングは確かに良くなっています。巨人の坂本と同じようなバッティングなんですが、体の切れが鈍い。彼がこれからやるべきことは、いかに体の切れをシャープにするかです」である。

 バッティングは浮き気味だった腰が、どっしり落ち着いてきた。調子は上向いているが、体の切れを養うためには、細かい動きの練習を取り入れ、とことん体を鍛えることだ。
 目の前のチャンスはつかめなかった。力不足はいなめない。両首脳の評価がなかなか厳しかっただけに、この日(9月1日)の交流戦の野原に注目した。結果は3打席でいずれも四球。ノースリーからが2つ。ワンスリーから1つ。一度もスイングすることなく、試合は終わった。全く参考にならなかったが、情報が入ってきた。チームが選ぶ8月度の月間MVPは野原将志だった。厳しいだけではない。首脳陣も見るべきところは、きっちり見ている。
 両首脳が指摘した速い球の克服。野原は「現在のテーマのひとつです」と懸命に取り組み「調子うんぬんより、今は結果を出すことが大事です。とにかく1軍に行くためには、ウエスタン・リーグで結果を出さないことには認めてもらえませんから」。
 目指すは1軍。同期には巨人・坂本、中日・堂上、広島・前田健、楽天・田中らがいる。努力あるのみ。追いつき、追い越せ。


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ウエスタン一番星
本間勝(ほんま・まさる)
 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
 現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
 退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
 現阪神タイガースOB会副会長。

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