日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムの野球ページです。



ここからこのサイトのナビゲーションです

共通メニュー

企画特集


2010年8月05日

頼もしい新人

~阪神・秋山巧巳投手~

 ウエスタン・リーグを取材していると毎年、どうしても追いかけてみたくなる戦手が必ずいる。今年もいた。その一人が阪神タイガースの秋山投手である。高卒(西条)の新人。開幕して間もないころ、さっそく取り上げた注目の選手だが、あれから4カ月がたった。前回取材した時、中西ピッチングコーチが「特Aの素材ですね。公式戦の登板もそんなに時間はかからない」と語っていただけに、鳴尾浜球場へ行った時にはいつも気にしていた。そしてその言葉どおり、それからすぐの4月3日に由宇で行われた対広島2回戦で早々と先発した。プロ入り初登板で初先発。勝ち星には恵まれなかったものの、5回1失点の好投でチームの勝利に貢献した。以降は先発要員(球宴登板は1試合)として定着し、7月3日現在の成績は10試合2勝1敗で防御率2・01と立派なもの。ますます気になる存在となった。

 ファームの公式戦だけではない。長崎で行われたファーム夢の祭典「フレッシュオールスターゲーム」に出場。つい先日は東京ドームの大学選抜チーム壮行試合に、タイガース代表としてただ一人参加、他流試合でもマウンドに立った。2試合とも1イニングずつだったが、ストレート主体のピッチングで無得点に抑えている。
 秋山「オールスターはリリーフの予定でしたので、ブルペンに行ったり、なんだかバタバタしている内に終わっていました。東京ドームでは一緒に野球をやっていた選手がいたので、何となくおしゃべりはしてきましたが、両方とも別に何事もありませんでした」
 あまり物事にこだわらない性格が頼もしい。
 見通しは明るい。成長の度合いは順調というより、予想以上のハイペースで成長している。

 秋山「ストレートでバッターを打ち取れるようになったし、フォームもだいぶ固まってきました。ピッチングの軸になるのはやはりストレートだし、変化球が生きるのも直球があってのことですから。できることなら、藤川さんのようにまっすぐで抑えられるピッチャーになりたいです。まっすぐにこだわるというより、まっすぐにこだわれるピッチャーになりたい。そのためには、ああいう球を投げられる体作り、しっかりしたフォーム固めなど、やることはいっぱいあります」
 前途洋々の新人だ。

 目標はしっかり見つめている。連日の練習に手抜きはない。ピッチングはもちろんのこと、猛暑の中、ランニング、ウエートトレーニングなどに取り組む姿勢は気合十分。そしてゲームのある日はチャート(記録)係の役割が待っている。本来は故障者か、その日の登板予定のない投手が担当するのだが、高卒新人で投手は秋山一人だけ。もっとも年下であるため順送りで避けて通ることはできないのだが、これは他の投手の配球を見ながら、自分と置き換えての勉強の場でもあるのだ。当然ヒントを得ることがある。何か一つでも身に付けば、自分の財産になる。
 秋山「今テーマにしているのはセットポジションです。試合ではランナーを置いて投げることの方が多いし、クイックで投げることも身に付けないといけませんから」
 どん欲なのも頼もしい。

 指導にあたる中西コーチは、すでにかなり先を見つめている。「順調ですね。もう少し速い球があったら申し分ないが、今のスピードでも相手バッターはけっこう差し込まれています。秋山は体を十分使って投げるので、初速と終速にあまり差がないのでしょう。フォームは固まってきたし、押し出しぎみだった腕の振りも、上から下へたたけるようになってきました。もっとスピードは出ると思いますよ。それに秋山は調子が悪くても試合が作れる。このまま育って行くと思いますよ。今年の終盤にでも一軍の経験を積めば、来年のローテーションに食い込めると思います」と、その期待の大きさが分かる。
 これから一軍スタッフが注目する実績をどこまで残せるか。何度か頭を打たれることもあるだろうが、球持ちの良いフォーム、たたけるようになった腕の振り、物事にこだわらない性格…秋山は期待に応えられるだけの要素を持っている。(本間)


この記事には全0件の日記があります。


ソーシャルブックマークへ投稿

  • Yahoo!ブックマークに登録
  • はてなブックマークに追加
  • Buzzurlにブックマーク
  • livedoorクリップに投稿

ソーシャルブックマークとは

ウエスタン一番星
本間勝(ほんま・まさる)
 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
 現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
 退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
 現阪神タイガースOB会副会長。

最近のエントリー




野球ニュースランキング




日刊スポーツの購読申し込みはこちら

  1. ニッカンスポーツ・コムホーム
  2. 野球
  3. コラム
  4. ウエスタン一番星

データ提供

日本プロ野球(NPB):
日刊編集センター(編集著作)/NPB BIS(公式記録)
国内サッカー:
(株)日刊編集センター
欧州サッカー:
(株)日刊編集センター/InfostradaSports
MLB:
(株)日刊編集センター/(株)共同通信/STATS LLC

ここからフッターナビゲーションです