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2009年8月27日

期待の新人

~オリックス・西勇輝投手~

 マウンド上の表情は生き生きしている。テンポがいい。高校出の新人ながら物怖じした様子は全くない。小気味よいピッチングで我々の目を楽しませてくれたのは、今季ドラフト3位。オリックスに入団した西勇輝投手(18)である。昨年夏、三重・菰野高を甲子園大会へ導いた原動力。身長180センチ、体重80キロ。右投げ、右打ち。均整のとれた体形はまさにピッチャータイプ。以前は近鉄ファンだったという。バファローズ入りは、何か目に見えない赤い糸で結ばれていたのだろうか。そして、同期のドラフト1位で入団した甲斐には、いい意味でのライバル心を燃やす強気な面が頼もしい。

 阪神-オリックス戦に先発した。投球回数は2イニングだったが、酒井ピッチングコーチに聞くと「チームの方針」だという。これまでの最長イニングは5回。ルーキーながらウエスタン・リーグで3勝をマークしているが、この日のピッチングを西本人に聞いてみると「あまり良くなかったですね。ちょっと球が浮いていましたから」と厳しい採点。でも、内容はヒットを1本許しただけ。プレートさばきも新人ばなれしている。だてに甲子園(高校)のマウンドを踏んでいない。また、良きライバルの存在はいい刺激になっているし、いい意味でのライバル心は競争意識を高め、技術向上の促進につながる。

 マウンド上。両足をきっちりそろえてプレート板を踏む。グラブを胸のあたりに固定してサインをのぞく。高校時代の感覚がまだ抜け切っていない。アンパイヤーからボールを受け取る時は、必ず帽子を取って頭を下げる。アウトをひとつ取れば、マウンド上で人差し指を1本突き出して野手にアウトカウントを知らせる。アウトを重ねると指は2本になる。まるで、つい先日まで甲子園球場で繰り広げられていた高校球児を見ているようだ。そして、ベンチへ帰る時、マウンドへ向かう時はジョギングで往復する。見ていて初々しい姿は好感が持てる。私もそうだったが、そのうち、体力消耗を防ぐため、首脳陣から歩いて往復することを勧められるはずだ。

 ゲーム後のロッカー。チームメートと話をしている時は笑顔が絶えない。屈託の無い笑顔がいい。明るいキャラはひと目でわかる。取材した時も、その笑顔で答えてくれた。「プロに入って半年以上になりますが、本当、野球が楽しいです。今、心掛けていることは、球を低めに集めること。コントロールには自信はありますが、ストライクを取るだけがコントロールではありませんから。やはり、この世界、高めにボールが浮くと危険ですし、その点を気を付けて練習をしています。目標ですか…。1軍のマウンドへ上がることですね。まだ、そこまでの力はないかもしれませんが、1日でも早く上へ上がりたいです」。邪念は無い。偽らざる気持ちを話してくれたが、純粋に野球に取り組んでいるところに期待したい。

 登板したあくる日、グラウンドを黙々と走る西がいた。暑い。汗ビッショリになっている。プロ入りしてから、ずっと指導にあたってきた、酒井ピッチングコーチに話を聞いてみた。「フォームに大きな欠点はありませんし、物怖じもしない。楽しみなピッチャーですよ。今日の2イニングは予定どおりです。いろいろな体験をするのもひとつの勉強ですし、また近々投げる予定をしています。それに、西はねえ。特技といったらいいんですかねえ。ブルペンで10球ほど投げただけでマウンドへ上がれる。今日も10球投げて試合に出て行きました」と言う。同コーチの話していたとおり、25日の中日戦(ナゴヤ球場)では、今度はリリーフで2イニング投げている。この試合の無失点ピッチングは西だけ。まだ少々時間はかかるだろうが、将来有望な投手であることは間違いない。今後、注目していきたい選手の1人だ。


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ウエスタン一番星
本間勝(ほんま・まさる)
 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
 現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
 退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
 現阪神タイガースOB会副会長。

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