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2009年7月23日

鍛えがいのある選手

~ソフトバンク・立岡宗一郎内野手~

 「すべての面で力不足を痛感しています」。この世界に入って約半年。現在、自分が一番感じている胸の内を聞いた時の話だ。つい本音を吐いたのは、今季ドラフト2位でソフトバンクに入団した立岡宗一郎内野手(19)である。身長180センチ、体重78キロの右投げ右打ち。均整のとれた体。現監督と同じ熊本出身。秋山2世と評価は高いが、まだまだ足元にも及ばない。背番号は大リーグへ移籍する前の井口(現ロッテ)が付けていた“7”。チームが寄せる期待の大きさがうかがえる。高校(鎮西)出の新人。体力、技術とも1軍レベルに達するまで、少々時間を要するが、素材としては申し分ない。みっちり鍛えた来季が楽しみだ。

 グラウンドの立岡を追ってみた。試合前の練習が始まると休む間はない。まず、ノック。右に左に容赦はない。この暑さだ。ちょっと動いただけで顔には玉の汗。ユニホームには汗がにじんでくる。もうドロだらけ。今度はベースランニング。1年生である。バッティング練習はいつも一番最後の組。バッティング時間が終了すると即シートノック。「ノックだけで、もうバテバテです」と言いながらも、そこは若さがある。ゲーム前の食事をして、ビショ濡れになったユニホームを着替えると、試合が始まる。ベンチで大きな声でチームメートに声援をおくり、野球の勉強をする。

 14日からの3連戦。出番はすべて途中から。3打席でヒットはなかった。成績を見ると打率は1割台。金属製から、木製のバットに変わった戸惑いがあるのだろうか。「もう大丈夫ですが、初めは戸惑いました。金属バットはピッチャーが投げた球をシンで捕らえたら、結構遠くまで飛びましたが、木製の場合はフォームをきっちり身に付けないといけませんので、いま、一生懸命やっています」。試合ではいい当たりもあったが、野手の正面。だいぶ感じをつかんできているようだが、3戦目の代走では、次打者の左前打で相手外野手の緩慢なプレーの隙をつき、一塁から三塁まで陥れる見事な走塁を披露。最終回の逆転劇を演出した。

 現状、そして将来。首脳陣はどう見ているのか。今季から就任した鳥越2軍監督に聞いてみた。現状はというと「思っていたより体力がなかったので、いまは体力強化を中心に鍛えています。よう頑張っていますし、飲み込みは早い選手ですから、指導したことを身に付けるのは結構早いです」。高校を出たばかりだ。体はまだ発展途上。大人の身体になっていない。将来については「楽しみな選手ですね。高校時代は外野手だったのを、いまは内野にコンバートしましたから、ちょっとかわいそうな面はありますが、先ほども言いましたように飲み込みは早いほうですから、楽しみにしています」。19歳。じっくり鍛える方針のようだ。

 試合後の立岡。ミーティングが終わると、すぐ外野に向かう。体力強化が始まる。ポールからポールまでのフェンス沿いを、片道は全力疾走。帰りは歩いて出発点に到着すると、休む間もなくすぐ走り出す。何往復しただろうか。それが終わると、今度はアンツーカーの部分で、前後左右と足早のステップを踏む。4、50分は待った。真っ黒に日焼けした顔には汗が流れ落ちている。やっとベンチへ帰ってきた。コンバートについての質問には「高校に入った頃は内野手でした。バッティングを生かすのと、ピッチャーもやっていましたので外野へ転向しました。だから、内野は全く経験がないわけではないのですが、プロの世界ですから。とにかく、いまはすべてに力をつけないといけません。頑張ります」。少々時間はかかるだろうが、試合前後のあの練習量は実に頼もしい。体力がつけば、技術も伴ってくる。必ずや這い上がってくる選手だ。


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ウエスタン一番星
本間勝(ほんま・まさる)
 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
 現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
 退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
 現阪神タイガースOB会副会長。

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