2009年6月25日
本領発揮か-。
~オリックス・岡田貴弘内野手~
なにわのゴジラ、いよいよ本領発揮か-。いずれのチームであれ、将来の中心選手になる素材を目の当たりにするのは、実に楽しい。ウキウキする。久々に鳴尾浜に姿を見せた期待の人、オリックス・岡田貴弘内野手(21)である。今年の4月、すでに一度取りあげているが、6月24日現在の15ホーマー、40打点の成績を見て驚いた。前回取材した時、確か2本だったホームランが大幅に増え、打率の・298はウエスタン・リーグのベストテンに名を連ねている。力を付けてきた証拠だ。持ち味の長打力。目の前で見事な一発を見せ付けられた。もう我慢できない。放っておけない選手に成長した。今後も、同チームの試合を取材する時、岡田を追いかけてみたくなった。
23日のゲーム。逆風をものともせず、左翼フェンスを直撃する三塁打を含む3安打の猛打賞。翌日も同じレフトへの打球だったが、完璧。文句なしの一発。私、ますます長打の魅力に取り付かれてしまった。「打った球はストレートです。手応えは十分ありました。レフトへのホームランですか…。今年、確か3、4本はあると思います」。柔らかいフォーム。バットはスムーズに出る。ヘッドスピードは速い。試合前のバッティング練習でも軽々とスタンドへ運ぶ。「目指しているのは、やはりホームランバッターです」。初めの日の3本のうちの2安打が阪神の1軍のローテーション投手久保から。一発は同じく福原から放った価値のあるもの。申し分ない素材だ。
岡田の成長を後押ししているのは、藤井バッティングコーチ。試合後もいろいろアドバイスをしている。「やっとフォームが固まりつつあります。今の成績キープしているのはその点ですね。これからもそうですが、好調を持続するためには、体の柔らかさを保っていくことです。スランプというのは、自分ではいつものフォームで打っているつもりでも、体のどこかが硬くなっていて、どこかが狂っているんですよ。昔の人がよくランニングを勧めていましたが、ランニングは、走っていると体が宙に浮くときがある、その時は力が抜けていて、体のバランスをとるのに役立っている。バランスはバッティングには大事なことですし、体を動かすにしても、人それぞれ体を動かし易い動作があって、その体格によってフォームを固めていくのが基本です。まあ、岡田の一番の欠点は股関節が硬いことですから、気をつけて指導していきます」とかなり熱く語ってくれた。期待のあらわれだろう。
4年目を迎えて大きく成長しつつある“なにわのゴジラ”長距離砲はどちらかというと、左打者はライト方向へ。右打者はレフト方向へ引っ張るバッターが多い中、岡田は逆方向へ打てることを説明してくれた。私が接してきた左バッターで、左右、真ん中へとホームランが打てたのは掛布、バースといったところ。強い浜風の日が多い甲子園球場をホームグラウンドにして、彼らがホームラン王のタイトルを獲得したのはレフトへも放り込めたから。岡田はこの二人に値するが、掛布以上のパワーの持ち主であることは間違いない。現在同じチームで、同じファームでプレーしている、かつての阪神の四番バッター浜中が岡田の飛距離を「半端じゃないですよ。あのパワーは、外国人の長距離打者並みですね。凄いですよ」と舌を巻くほど。遠くへ飛ばすことには非凡な男の発言だけに、説得力がある。
15本のホームランを月別にすると4月が7本。5月は1軍に上がっていたこともあって2本。そして6月が24日現在で6本。24日は視察にきていた大石監督の目の前で大いにアピールした。「今、調子はあまりいい方ではありませんが、今年は良くない時でも、それなりに打てるようになりました。フォームもだいぶ固まってきましたが、テーマといいますか、今取り組んでいるのは、自分のフォームを、しっかり自分のものにすることです」。1軍への道。自分で学ぼうとする意欲を持つことだ。果たして、どこまで進歩しているか。どこまでホームラン数を伸ばしているか。次にお目にかかる5日を楽しみに待つことにしよう。
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- 本間勝(ほんま・まさる)
- 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
現阪神タイガースOB会副会長。
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