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2009年6月18日

コンバートでチャンスを

~中日・福田永将内野手~

 鳴尾浜球場では、1カ月以上のご無沙汰だった。久々のウエスタン・リーグ公式戦。やはり活気がある。阪神対中日10回戦。スポーツ紙で、タイガース・久保田先発の告知があったからだろうか。スタンドは早くから満杯。場内アナウンスの「席をお詰めの上ご観戦ください」の放送があるほど。取材を兼ねてゲームに目を向ける我々OBも満足。緊迫した試合展開の中、注目に値するバッティングを披露してくれたのは、中日・福田永将内野手(20)である。2006年の高校生ドラフト3位で横浜高から入団。181センチ、80キロ。右投げ、右打ちの選手。

 昨年、捕手から内野へコンバートされたばかり。落合監督が認める、非凡なバッティングセンスの持ち主。高校時代49ホーマーを放った長打力も魅力。名門・横浜高では、甲子園球場でのセンバツ大会で優勝を経験した。将来の中心打者候補。昨年は内野手に転向。慣れないポジションへの気遣いからか、やや伸び悩んだ。今季3年目。やっと地に足が着いてきた。もともと素材はいい。徐々に力をつけてきた。「バッティングも、フィールディングもまだまだです」。謙虚な気持ちで野球に取り組んでいるが、6月17日現在の成績は、32試合に出場。79打数28安打で・354と打率は高い。そして、3ホーマーを放って16打点。期待の星を取材してみた。

 16日は7番サードで先発出場。阪神のマウンドには、故障あがりとはいえ久保田が上がっていた。初打席、バットを折りながら力で左前打。四球を挟んだ7回の先制機。低めの難しい球を見事、中前へタイムリー。高柳バッティングコーチが「私もびっくりしました。うまく打ちましたよねえ」と驚くほどの技ありの一打。福田の持ち味ではない。本人には納得のいかないヒットだったかもしれないが、この一打。首脳陣へのアピールになったのは間違いない。さらに同コーチ「コンバートは落合監督の指示もありましたが、バッティングを生かすためです。今までは、バットを構えて、トップにはいる前、腕でタイミングをとっていましたが、現在は、腕をはじめから高い位置に構え、そこから直接バットを出せるようにしています。いいものを持っていますし、長打もありますので、大きく育ってほしいですね」。その才能を認めている。17日の試合では3番に抜てきされていた。

 捕手からのコンバート。ぎこちないのはやはり守りだろう。福田は「経験のないところですし、不安でした」と本音を吐いていたが、内野守備を担当する風岡コーチに聞いてみると「毎日毎日、本当によく練習をしています。まだグラブの使い方とか、やるべきことはたくさんありますが、ハンドリングなどはかなり良くなってきました。調子はいいようですし、いまうちの旬の選手ですよ。将来が楽しみですね」。初めての守備位置。ゼロからのスタートである。コーチと選手、両者にそれぞれの立場はあるが、お互いにすべてをぶつけ合って指導し、吸収することが上達への道につながるはずだ。

 まだ、少々時間はかかりそうだが、今は大いに苦しむ時だ。失敗を恐れるな。逆に失敗から学ぶことは多い。練習と実践の経験を積み重ねていく以外にない。福田はこう言った。「確かにコンバートは不安はありましたが、ゲームに出場できるチャンスは多い方がいいですから。それに、バッティングを生かすためだと言ってくれましたし、自分にしてもやりがいがあります。まだ攻守ともやることはたくさんありますが、テレビでしか見たことのない、あの久保田さんから2本もヒットが打てたことは自信になります」と-。目が輝いていた。フルスイングした時の迫力はさすが。確かに風岡コーチの言うように、いま“旬”の選手かもしれない。そして、あの鳴り物入りで入団した堂上直倫とは同期。ライバル意識は当然あるはずだが、いい意味でのライバルは、元巨人の王、長嶋がそうだったようにいい結果を生むはずだ。


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ウエスタン一番星
本間勝(ほんま・まさる)
 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
 現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
 退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
 現阪神タイガースOB会副会長。

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