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2008年9月12日

バランス抜群のフォーム

~阪神・石川俊介投手~

 腕がよく振れている。ストレート。変化球。腕の振りに強、弱はない。腕の振りの強弱で球種が分かる場合があるが、これなら大丈夫。コントロールも申し分ない。球が低めに集まっている。9月3日の甲子園球場。ウエスタン・リーグはサーパス戦。快調なピッチングを披露したのは阪神・石川俊介投手(23)。身長は184センチ、体重82キロで右投げ右打ち。今季、大学・社会人ドラフト3巡目。上武大から入団した新人。この試合、8イニング投げて被安打は3。そして、9三振を奪って四球0。1点を与えただけの内容。ネット裏でマウンドさばきなど、じっくり見させてもらったが、楽しみな投手が出現した。

 今シーズン、石川はルーキーでただ1人、1軍を経験した。3試合(3イニング)の数少ない体験だったが、無失点は立派なもの。「初登板の時がなぜか一番楽に投げられたし、ピッチング内容も良かったと思います。あとの2試合は、自分で納得する投球ができませんでした」と1軍の経験を振り返ってくれたが、短期間の1軍生活で、きっちり勉強してきたあたりはなかなかどん欲だ。「安藤さんみたいに、内角のシュートが思い切って使えるようにならないと、この世界では生きていけないと思いました。我々みたいなタイプは、内角へどんどん投げて、バッターに恐怖心を与えないと勝てないでしょう」(石川)と先輩のピッチングから己の生きる道を学んできた。

 バランスのとれた素晴らしいピッチングフォーム。今年の1月、鳴尾浜球場で新人の自主トレをのぞいたとき、石川のキャッチボールを見て驚いた。「ひょっとしたら」。大いに期待したが、やはり即戦力までの力はなかった。球速である。マックスが140キロ前後。このままでは抜群のコントロールか、今のストレートを最も速く見せるための球種が必要になるが、本人が選択したのは「平均で145キロぐらい出せるようにしたい」だった。先日、鳴尾浜球場で石川の姿を捜してみると、背番号48。外野のフェンス沿いを黙々と走って足腰を鍛えていた。そして、ウエートトレーニングでは腕力、上半身の鍛錬だ。

 この前のサーパス戦。スコアボードで表示した球速のマックスは144キロ。これ以上の数字を私が見落としているかもしれないが、144キロを何球か見たということは練習の成果が出ている証拠。努力なくして腕が強く振れるはずがない。試合後の石川にアドバイスをしていた、星野ピッチングコーチに話を聞いてみると「いつもこういうピッチングをしてくれたらねえ。でも、最近は調子いいんですよ。前に登板したソフトバンク戦では打たれはしましたが、調子は悪くなかった。腕の振りは変化球でも強く振れるようになりましたから、球種は分からないし、ボール球に手を出してくれるようになってきました」と成長を認めている。

 「もっと長いイニングを投げてみたい」という石川の願望は6から8イニングに伸ばしてクリアした。「こういうピッチングを何試合も続けないといけませんね」。ピッチングフォームのバランスは抜群。球威、コントロールをつけるための貴重な財産を持ち合わせている。公式戦(ウエスタン)は終わろうとしているが、フェニックス・リーグがある。秋季キャンプもある。来季の1軍定着。首脳陣にアピールするチャンスはまだある。


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ウエスタン一番星
本間勝(ほんま・まさる)
 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
 現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
 退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
 現阪神タイガースOB会副会長。

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