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2008年8月22日

大器

~阪神・橋本良平捕手~

 「この時期は、やはり高校時代を思い出しますね。今回は応援に行けませんでしたが、16日に宿舎へ行って皆さんにお会いしてきました」。残念ながら母校は準々決勝で姿を消したが、関係者と久々に再会して元気をもらってきたようだ。橋本良平捕手(19)。智弁和歌山から阪神タイガースへ入団して今季2年目。真っ黒に日焼けした顔は精悍(せいかん)だ。高校時代は早大の“ハンカチ王子”こと斎藤佑樹投手や、東北楽天の“マー君”こと田中将大投手ともども、日本代表選手としてアメリカ遠征をした。その時の4番バッター。182センチ、90キロの恵まれた体。星野ジャパンの首脳陣が北京オリンピックのリハーサルとして、甲子園球場で行われたウエスタン・リーグ阪神-広島戦の指揮をとった時、試合前の練習で、田渕コーチから入念にバッティング指導を受けていた。

 まだウエスタン・リーグでも、マスクをかぶる機会は少ない。8月18日現在、途中出場や代打を含めて23試合の出場だが、7月6日の対中日15回戦(甲子園球場)で先発出場。ノーヒットノーラン投手をリードした。マウンド上は若竹竜士投手。1年先輩だ。さぞや気遣いは大変だったと思い、話を聞いてみると、意外や「いや、意識したのは9回だけです。それまでは毎回と同じように点を与えないことを考えてリードしていました。それより、どこかでヒットを打たれると思っていましたから」。サラリと言ってのけた。その話しっぷりから受け取れたのは、イライラしたり、あわてたりはしない性格か。どっしり構えたキャッチャーになると見た。

 捕手の場合、身に付けるべき事が多い。捕球、送球、投手リード等々。それが場数を踏まないと自分のものにならないからつらい。一番大事な自チームの投手からの信頼も初めから得られるものではない。やはり経験が必要なポジションなのだ。いろいろ言われる。黒子に徹すること。冷静沈着であること。野球知識が豊富なこと等々。嶋田バッテリーコーチに聞いてみた。「捕手としてまだまだやることはたくさんあります。彼の場合、来年からが勝負できる年になると思っています」である。要するに、今年中に勝負をかけるためのノウハウを養っておけということだ。厳しい発言は期待度のあらわれだろう。

 頭の中に入れておく事も多いが、これまた何事も体験を必要とするから厄介だ。勝負を左右する1球の重みにしてもミスした時の怖さは頭の中では分かっていても、本当の怖さにまで達していない。厳しい場面で何度かガツンとやられて、初めて痛みを知る。そして自分が成長していくためには、打たれた時の根拠を、理解するまで追究していくことによって進歩がある。「1軍昇格のことは常に頭の中にありますが、僕の場合、今はとにかくファームで結果を出さないことには話になりませんから。練習では、時間があればバッティングもやっていますし、攻守両面といいますか、すべての面でレベルアップをしていく事が必要だと思っています」。継続は力なり。1日1日の積み重ねが力になる。ウエスタンの公式戦は残り少なくなったが、10月には宮崎でファームを中心にした、フェニックス・リーグが開催される。11月には秋季キャンプが待っている。1軍首脳陣の目に触れる機会が多くなる。若い選手が、自分を大いにアピールするチャンスの場が到来する。


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ウエスタン一番星
本間勝(ほんま・まさる)
 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
 現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
 退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
 現阪神タイガースOB会副会長。

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