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2008年8月08日

期待の星

~阪神・清原大貴投手~

 隣の甲子園球場では、只今高校野球の真っ最中。灼熱の太陽が照りつける中、熱き戦いが繰り広げられている。やや注目度では劣るが、鳴尾浜球場も負けてはいない。炎天下、阪神タイガースのファームは、5日が四国、九州アイランド・リーグ選抜チームと対戦。6日は同リーグの高知ファイティングドッグ戦が行われた。格下チームの相手とはいえ、一球たりとも、一打席たりともおろそかにできない選手がいる。5日の選抜チームとの試合。先発した実績ある福原はあくまでも調整登板。遠ざかっているゲーム感を養うためと、何パーセントの力で投げられるかの確認。そして、翌日故障個所の様子を見て、状態が良ければ次の段階に進んでいくステップ台だが、実績のない選手はそうはいかない。いい働きをして、首脳陣にアピールする場所なのだ。

 5日の選抜チーム戦。しのぎを削る争いを見た。福原は別格として、後を継いだ投手が筒井、清原、小島、横山、金村の5人。実績は無い。生き残りをかけた戦いで、私の目に止まったのは一番若い清原大貴投手(19)。常総学院出身で、今季高校生ドラフト4巡目でタイガースに入団した新人。身長180センチ、体重75キロ。右投げ、右打ちのバランスのとれた体形。球速のマックスは「144キロ」と語るが、まだ高校を出たばかり。スピードはさらに増すこと間違いない。

 清原がマウンドに上ったときの相手の打順は3番、4番、5番のクリーンアップトリオ。初めのバッターを三振に討ち取るなど、堂々と向かっていって3人でピシャリ。「我々実績のないピッチャーは、こういう練習試合でも、どんな場面に登板しても、いいピッチングをして認めてもらわないといけないし、一球たりと気の抜いた球は投げられません」。得意球はスライダー。そういえば、まだ記憶に新しいが、2月の安芸キャンプで岡田監督をうならせた球だ。ストライクをとれる変化球を持っているのは強みだ。この日も4番バッターに0-2からスライダーでストライクを稼いだ。なかなか頼もしい。

 この世界に飛び込んで半年が過ぎた。ぼちぼち周りが見えてきた。プロの厳しさ、怖さを体験するころだ。「この前(7月23日)ナゴヤドームで行われた中日戦(ウエスタン・リーグ)で、プロのバッターの怖さを実感しました。それまではどうってことなかったんですが、平田さん、堂上さんに一発ずつやられました。甘い球はダメだということを痛感しました」と清原は話した。まだ、いまのうちの失敗は許されるが、打たれた根拠を追求し、解決しておく事を忘れてはならない。

 期待の新人だ。葛西ピッチングコーチに清原の現状を聞いてみた。「最近、フォークを投げられるようになったし、欲をいえば、もうひとつシュートをマスターするといいですね。彼はスライダーがいいので、ピッチングに幅ができます。まあ、今年はこのままいく予定ですし、これからですね。秋のフェニックス・リーグや、秋季キャンプでどこまで伸びるか楽しみです」。急がず、慌てず、じっくり鍛えていくようだ。

 公式戦は、12試合に登板しただけ。勝ち星、負け星ともない。防御率は先日浴びた2発もあって7・20。成績はいまひとつだが、まだ若い。プロ野球選手として一番大事な強い体と、強いハートを持ち合わせているのは強い。「今、自分にとって一番ほしいのはコントロールです。コントロールがつけば、あとは自然に球は速くなるでしょうし、変化球の切れも良くなると思います。早く先発をしてみたいです」。チームの方針でスローペースの清原だが、今年の新人で大過なく、順調に成長しているのは石川と二人だけ。強靭な体は、何ものにもかえ難い財産である。期待の星だ。


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ウエスタン一番星
本間勝(ほんま・まさる)
 1939年(昭14)5月1日生まれ。愛知県出身。中京商(現中京大中京)を卒業後、58年に阪神タイガースに入団。投手として活躍し、60年5月15日の巨人戦で初勝利をマーク。この年に13勝を挙げた。66年に西鉄に移籍。翌年、現役を引退。
 現役生活は実働10年で、216試合に登板。28勝38敗。16完投、4完封で377奪三振。通算投球回数は693回1/3で防御率2・86。
 退団後は14年間の新聞記者生活を送る。球団の営業担当などを歴任し、阪神の球団広報に。吉田義男氏(日刊スポーツ客員評論家)が3度目の監督に就任した時は広報部長。大物外国人グリーンウェル(レッドソックス→阪神)が「神のお告げ」で途中帰国したときの対応に苦慮。「あの年は、なかなかしんどかったですなあ」と振り返る。星野監督には、シーズン中の記者とのお茶会を進言。「あれだけ気の利く監督でしたから。広報の私は必要ないですな、と言ったこともありましたよ」。激しいスクープ合戦を繰り広げる虎番記者と、監督や選手との調整に手腕を発揮した。長い記者生活のキャリアを生かした名物広報ぶりに、お世話になった虎番は多数。
 現阪神タイガースOB会副会長。

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